京都で最古の洋食店・グリルキャピタル東洋亭。明治30年(1897年)に創業してから今年で122年、今では京都と大阪に合計8店舗を展開する洋食チェーン店に発展しています。
グリルキャピタル東洋亭本店|明治時代創業の京都で最も古い洋食店…あらゆるシーンに対応できる懐の深さが魅力
グリルキャピタル東洋亭本店一言で表現すると、ヨーロッパの大衆食堂のような賑やかなお店です。50-60名程度はすんなり受け入れられるだけの広いスペース、そのあちこちから乾杯の掛け声やら、ハッピーバースデーの歌やらが聞こえてきます。
その一方では、カップルが2人の世界に入っていたり、小さな子供連れの家族客がゆったりと時間を過ごしたり…スペースの広さだけでなく、居心地の部分でもキャパシティーの大きな印象があります。
そして、提供する料理の種類も相当な幅広さを誇ります。グリルキャピタル東洋亭は、お店の立地条件などから店舗ごとに提供できるメニューが違うのですが、本店にはそれらの全メニューが揃っているかのような豊富なメニューがあります。
そんな中でも、今回僕がオーダーしたのは…
プリフィックスコース:8×10×16の組み合わせをあなた好みにカスタマイズできる、本店ならではの自由度の高いメニュー
グリルキャピタル東洋亭本店では、8種類の前菜と10種類のメインディッシュ、16種類のデザートから1品ずつ選べる、非常に自由度の高いプリフィックスコース(お値段 税込2680円から)を提供しています。一部追加料金が必要ですが、1品ずつ注文するよりかなりお得になっている印象があります。
そんなわけで、僕もこのプリフィックスコースをオーダーすることに。下のリストの中からエスカルゴの香草ガーリックバター、百年洋食ハンバーグステーキ、百年プリンの3品を選びました。
オードブル
- まるごとトマトサラダ&アスパラとベーコン、白いんげんのキッシュ
- シーザーサラダ
- エビとゆで卵のサラダ
- エスカルゴの香草ガーリックバター
- 鴨とクレソンのサラダ
- トラウトサーモンマリネサラダ
- ニース風サラダ
- 田舎風パテ
メインディッシュ
- 百年洋食ハンバーグステーキ
- 和風ハンバーグステーキ
- 野菜煮込みソースハンバーグ
- チーズハンバーグ(プラス100円)
- サーモントラウトのムニエル
- 萩原畜産豚のロースカツレツ(プラス200円)
- 大山鶏のグリル(プラス200円)
- 骨付オリエンタルチキン(プラス300円)
- フィレビーフのカツレツ(プラス1100円)
- 薩摩黒牛のステーキ(プラス2000円)
ケーキ・デザート
- りんごのタルト(プラス70円)
- 抹茶ロール
- フランポワーズのムース(プラス80円)
- シュークリーム&ソフトクリーム
- クレームブリュレ(プラス100円)
- モンブラン(プラス100円)
- ミルクレープ
- 苺のショートケーキ
- 百年プリン(ミディアムサイズ)
- ティラミス
- ハーゲンダッツ・キャラメルアイスクリーム
- チョコレートケーキ
- キャラメルショコラ
- チーズケーキ
- サバラン
- トマトジュレ
以上3品に、ライス or パンと食後のドリンクがつきます。
それでは、今回オーダーしたプリフィックスコースの品々のご紹介といきましょう…
エスカルゴの香草ガーリックバター:ガーリックバターの香りがたまらない…一品でいろいろ楽しめるおすすめの前菜
まずは前菜の「エスカルゴの香草ガーリックバター」をご紹介。目の前に運ばれてくる時から、ガーリックとバターの香りが漂ってきて食欲をかきたてます…
みじん切りのパセリとパン粉が、緑色に鉄板全体を覆い尽くしています。その下の鉄板には6つの凹みがあり、それぞれにガーリックバターで熱せられたエスカルゴが1つずつ収まっています。
エスカルゴ=カタツムリとイメージすると食べるのに抵抗感が出てきてしまいますが、実際のところはつぶ貝みたいなものでしょうか。小ぶりで柔らかく、ガーリックバターのおかげか臭みはまったく感じられません。普通に美味いです。
備え付けのバケットに乗せていただきます。ガーリックトーストに小さな貝の身を乗せた感じで、エスカルゴの柔らかさと鼻に抜けるガーリックの香りが心地よく、いくらでも食べられそうな気になります。
エスカルゴを食べ切った後でも、凹みに残ったガーリックバターにバケットを漬けて食べたり、鉄板に残ったパセリを乗せて食べたりと、前菜なのにこの一品で十分楽しめてしまいます。売り切れになることも結構多いようなので、苦手でなかったらチャンスを逃さず試してみることをおすすめします。
百年洋食ハンバーグステーキ:グリルキャピタル東洋亭のフラッグシップメニュー。ホイル包みを破る楽しみで多くのお客さんを魅了
つづいてメインディッシュの「百年洋食ハンバーグステーキ」…
ご覧のように、ハンバーグはアルミホイルに包まれた状態で運ばれてきます。このアルミホイルを破る瞬間は、何度食べてもやっぱり心躍ります…
中を開けた瞬間、ホイルの隙間からハンバーグのにおいが一気に外に放出されます。アルミホイルの中には大人の拳大のハンバーグ、その頂には柔らかく煮込まれたシチュー肉が乗っています。芳醇な香りのするデミグラスソースはアルミホイルの底一面ひたひたになるくらい注がれていて、ソースの旨味もしっかり堪能できます。
では、ハンバーグの実食といきましょう。ナイフを入れた感触としては、ふかふかした柔らかいハンバーグ。この時点で非常に食べやすそうな印象を持つのですが、さすが京都で100年以上続く洋食の名店…やはりそれだけでは終わりません。
このハンバーグに使われている肉は、スーパーで売られているような細かい挽肉ではなく、ゴツゴツとした塊を感じられる粗挽き肉なんです。口に入れて噛むときに、粗挽き肉に当たって歯を押し戻されるような抵抗感を感じます。そして、肉の隙間から肉汁がじんわり滲みでてきて、それがデミグラスソースと混ざって旨味を増幅して…という感じで、肉・肉汁・ソースのそれぞれがみんなの良いところを引き出し合っているかのような印象を受けます。
こちらは、もはや百年洋食ハンバーグの付け合わせとしておなじみのベイクドポテト。北海道産のジャガイモにバターが乗っていて、まさにイメージ通りのじゃがバター。そのまま食べても良いですし、デミグラスソースにつけて食べても美味です。
ところでこのアルミホイル包みのスタイル…「他の店で見たことがある!」という人もいるかもしれません。そうです。関東地方で店舗を広げているつばめグリルがそのお店。実はアルミホイル包みのスタイルはつばめグリルが元祖で、グリルキャピタル東洋亭はつばめグリルから許可をもらう形で1998年から始めたのだとか。
「百年洋食」とありますが、アルミホイル包みのまま100年続いたわけではないようです(そもそもそんな前にアルミホイルがあったのか?と思えば…)。逆に言えば、百年前のスタイルに縛られることなく、新しく良いものはどんどん取り入れていこう!というお店の気概を感じます。
百年プリン:濃厚な卵とビターなカラメルソース…100年前の日本にプリンがあったら、きっとこんな感じ
そしてデザートは、グリルキャピタル東洋亭でも人気のスイーツ「百年プリン」。創業者の高橋銀次郎氏が作ったなら…とイメージを膨らませて作った、ある意味お店の百年以上の歴史を反映するデザートです…
京都・北山の奥、美山の牛乳を使い、低温でじっくり焼き上げた昔ながらのシンプルなプリン。しっかりと身が詰まって硬く、スプーンを入れるときにも抵抗を感じます。卵が濃厚でコクがあり、ちょいとビターなカラメルソースがプリンの甘味をさらに引き立てる大人の味。コースの〆としても絶好なスイーツでした。
カフェとしての利用も可能…グリルキャピタル東洋亭本店へのアクセスは、最寄り駅の京都市営地下鉄・北山駅から徒歩2分
このように、グリルキャピタル東洋亭本店はデザートのレベルも高く、レストランとしてではなくカフェとしても利用が可能です。
実際、入り口入ってすぐ右手にはスイーツのショーケースがあり、モンブランをはじめとしたケーキも多数取り揃えてあります。店内の雰囲気も良いので、午後の時間帯に喫茶店的な使い方をしてみるのもおすすめです。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
キャピタル東洋亭 本店 (洋食 / 北山駅、北大路駅)
夜総合点★★★★☆ 4.5
住所:〒603-8053 京都府京都市北区上賀茂岩ケ垣内町28番地の3
電話番号:075-722-2121
営業時間:11:00-22:00
定休日:無休
駐車場:あり
クレジットカード払い:可
P.S. 京都で美味しいハンバーグをお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄ってみてください…
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