最近「フレンチシェフが転身して開いたラーメン屋」というお店をちょくちょく見かけます。そうした他業種からのチャレンジは個人的に喜ばしいことだと思っているのですが、実際お腹が空いて何を食べようか?となったときに、数ある他の選択肢の中から「フレンチシェフのラーメンを食べに行こう!」とはならなかったんですよね。
でも最近、ひょんなことから見つけて「これは食べてみたい!」と思ったラーメンがありました。それは銀座ルコチアというフレンチレストランがランチタイムに提供するトリュフヌードル。事前のネットリサーチでは、食べログの口コミ評価も上々です。
通常2g使うと香りが部屋に充満すると言われるトリュフを、その5倍の10gも使っているという、とても贅沢な一杯。でも僕にとっての問題はそこではなく、「本当に美味いのか?」です…
銀座ルコチア|フレンチレストランで提供される会心作のトリュフヌードル…さて、お味はいかに?
銀座ルコチア(ル・コチア)は、東銀座駅にある歌舞伎座の東側に面した細い通り沿いに店を構える、フランス料理のレストラン。小さな商業ビルの1階から3階を使って客席のスペースを確保しているので、普通にフレンチレストランをイメージしていると実店舗との違いに違和感を覚えることでしょう。初めての人にはちょっとお店を見つけにくいのですが、通り沿いにランチメニューが書かれたボードが出ているので、それを目安にお店を探すといいと思います。
そのボードが出ているビルの中にあるエレベーターを使って3階に上がると、小さな小さなバー程度のスペースに先客が4人、お互いスペースを切り詰めながら食事をしていました。
3階には厨房に沿ってカウンター席が6席のみ。小洒落た感じではなく、ビストロのような雰囲気で居心地は悪くありません。2階にはテーブル席もあるようですが、こちらはランチコースを予約したお客さん用の席になっているので、飛び込み客は全員この3階に上がることになります。
銀座ルコチアのランチメニュー:トリュフヌードル以外にも興味をそそられる新メニューが登場!
さて、事前のリサーチでは、銀座ルコチアで食べられるランチメニューはトリュフヌードル1択だったはずですが…実際店頭のボードを見ると「フレンチ牛丼」なるものもあるようですね。こちらもかつては世界三大珍味の1つとして崇められたフォアグラを使用…数秒間頭の中で迷いますが、やはりここは初志貫徹でトリュフヌードルを注文することにしましょう!
銀座ルコチアの基本ランチメニュー(値段はすべて税込)
- フレンチ牛丼(牛ステーキ、フォアグラソテー、サラダ) 1300円
- スペシャルフレンチ牛丼(牛ステーキ1.5倍、トリュフ付き) 1850円
- トリュフヌードル(サラダ、パン付き) 1850円
- 特選旬のトリュフの贅沢リゾット(特選最上級トリュフ使用) 4850円
- トリュフスープ(牛丼のお供に) 300円
その他ライスや麺の大盛りや、鴨胸肉スモークやフォアグラソテーのトッピングも可能です。ネット検索では「トリュフのおにぎり」というのも引っかかりますが、今はやっていないのでしょうか…
トリュフヌードル:トリュフの芳醇な香りがたまらない…ラーメンの域を遥かに超えたフレンチヌードルは、途中で味変も楽しめるお得な一杯
トリュフヌードルの前菜として、ビネガー風味のドレッシングがかかった鶏むね肉のサラダが出てきます。そのサラダをつまみながら待つこと約10分。トリュフヌードルが出来上がったようです。どんなラーメンなのか、興味津々です…
僕の目の前にトリュフヌードルが着丼。すると10秒ほど時が止まったかのように、シーンと場が静かになりました。それまでワインを片手に雑談で盛り上がっていた、隣の2人組がトリュフヌードルをガン見していたのです。トリュフの香りを言葉で表現できないのが残念ですが、それくらい狭い店内にトリュフの香りが充満します。ちなみに隣のお客さん、この後僕と同じトリュフヌードルを追加で注文していました(笑)。
そのトリュフヌードルと一緒に提供されるバケットとクリーム…これらの使い方は後述します。
まずはスープを一口…フォン・ド・ボライユと呼ばれる鶏の出汁とオーガニック野菜からとったスープをブレンドしたというこのスープは、見た目の透明度に反して結構塩味と甘味が出ています。そのスープにもトリュフの香りがしっかりと移っていて、スープを飲み込むごとに喉から鼻へ戻ってくる芳醇な香りがたまらなくクセになります。
これに対する麺は表面がざらついていて、どことなくスパゲッティーを連想させます。アルデンテとは違いますがコシが強く、時間が経ってもクタクタにのびません。オリーブオイルをつなぎとして作り上げた麺には、ほのかな地中海の香りを引き出すとともに、水をはじいて麺を美味しく長持ちさせるという利点もあるようです。
さて、トリュフヌードルを半分ほど食べたところで味変タイム。ヌードルと一緒に提供されるクリームを、器の中に注ぎ入れます…
スープの色が一気に白濁し、表面に脂分が目立つようになりました。この状態で残りの半分を食べるのですが…
いやいや、驚きました。これ、まったく違うヌードルです。単に「味変」という言葉で片づけるのはもったいないレベル。クリアーな塩味の鶏出汁スープから、一気にコクを前面に出した濃厚スープへ。惜しむらくは、器を両手で持ち上げてゴクゴクといきたいな…底に残ったスープとトリュフは、バケットに浸してお食べください。
このヌードルを食べて、1つだけあなたに伝えたいことがあります…
このトリュフヌードルを、ラーメンと思わない方がいいです
頭の中でラーメンという枠を外さないと、1800円という値段が大きなネックになってしまいます。そうではなく、これは正真正銘フレンチの一品料理…少なくとも僕はそう思うようにしました。それなら、銀座のど真ん中でランチ1800円は全然許容範囲内ですよね。
トリュフヌードルをラーメンと思うべからず…銀座ルコチアへのアクセスは、最寄り駅の東京メトロ・東銀座駅から徒歩1分
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
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