大阪のソウルフード・たこ焼きのルーツを探ると、兵庫県明石市のご当地グルメ・明石焼きに行き当たります。明石焼きとは卵と浮き粉を混ぜた生地にタコを入れて球状に焼き上げる食べ物で、たこ焼きと違って具材はタコのみとシンプルで、さらにソースではなく出汁で食べるところも違います。
明石焼きのお店は明石市内だけでも70店舗あると言われているようですが、その中でも常にランキング上位に上がってくるのがふなまちというお店。市内でも圧倒的な人気を誇る明石焼き専門店でどんなものが食べられるのか、ずっと前から興味があったんですよね。で、先日明石へ行くチャンスができて、ここぞとばかりに行ってみると…
待ち時間2時間は当たり前…明石焼きの専門店・ふなまちはどんなお店なのか?
JR明石駅から魚の棚商店街を南に通り抜けて、ふなまちに到着したのがとある土曜日の午後1時くらい。土曜日のランチタイムなので、ある程度の行列は覚悟しての訪店。実際お店に到着した時、お店の前で20人くらいが一列に並んでいました。
「まあ、こんなもんでしょ。」と納得して列の最後尾に並ぶ僕。でも、その僕のすぐ後ろにはこんな札が立てかけてあったんですよね…
あくまで目安に過ぎませんが、ここから約2時間待ちですか…1時間くらいは覚悟してましたが、これはちょっと黄色信号。待っている間にトイレに行きたくなったらどうしよう?グループで来ていたのならともかく、自分1人だと長時間列を外れるわけにはいかないし…
でもご安心を。ふなまちの入り口横にトイレが併設されていて、お店の中に入らなくても誰でも自由に使えます。お一人様でも前後の人に一声かけておけば、あなたのポジションをきっと取っておいてくれることでしょう。
ちなみにこの日の僕の待ち時間は1時間ちょっと。休日の昼間にしては、かなりラッキーな方なのでしょう。なにせ僕が食事を終えて店を出た2:30頃には、僕が並んでいた時よりさらに長い行列ができていたのですから…
さて、1時間待って待望の店内へ。でもお店のスペースは本当に狭くて、下手をするとマンションのリビングルーム1室より狭いんじゃないか?ってくらい。その左半分が客席スペースで、テーブル2卓の周りにスツールが並んで全部で10席程度。もちろん相席覚悟。一方の右半分が調理スペースで、ご主人と女将さんのツインエンジンで明石焼きをひたすら焼きまくっています。
そんなふなまち、週末はフードメニューを玉子焼き1本でやっています(注:地元明石では明石焼きのことを「玉子焼き」と呼びます)。とりあえず1人前を注文し、目の前に運ばれてくるのをじっと待つことにしましょう…
玉子焼き:1人前で20個も!明石市民に圧倒的に人気なふなまちの名物メニュー、そのお味はいかに?
それでは、ふなまちの名物メニュー「玉子焼き(お持ち帰り可、お値段 税込650円)」をご紹介しましょう。画像はこちら…
1枚の木板に乗ったたこ焼きサイズの玉子焼きが全部で20個…これでお値段650円って、めちゃくちゃ破格じゃないですか?今やたこ焼きが8個で500円する時代、たった150円追加で2倍以上の量を食べられるのなら、そりゃあ行列に並んででも食べないと損!って感じですよね。
これを一緒に出てくるお出汁に浸して食べるのが明石焼きの基本的な食べ方。出汁は冷たいバージョンと暖かいバージョンがあって、お店によってどちらが出てくるのかが違いますが、ふなまちでは冷たい方のお出汁が出てきます。
では、早速実食…といきたいところですが、慌ててはいけません。見た目ではわかりませんが、実はこの玉子焼き、中までめちゃくちゃ熱いんです。知らずに口に放り込んだが最後、あなたはその日1日まともにご飯が食べられなくなるかもしれません。
なので冷たいお出汁が出てくるの、すごく助かるんですよね。でも、特に焼きたての場合はちょっと出汁に浸したくらいでは中の熱が取れません。はやる気持ちを抑えて、ここはじっと我慢、我慢…
待つこと1分超、そろそろ冷めたかな…というところで口の中へポン…いやいや、まだ熱かった!口の中、プチ火傷です。外側はしっかりと固まってはいるものの、中は鰹出汁を含んだとろっとろの卵液が…その熱々の卵液で頬の内側と舌を軽く火傷。でも、そこからフワッと漂う出汁の香りがとっても気持ちよく、熱いのをなんとか口の中で耐えました。
この玉子焼きを割って中を見てみると…1片の蛸の周りにカスタードクリームのような卵液がぎっしり!こんなとろっとろのやつが熱を持ってしまったら、そりゃあなかなか冷めませんよね。
で、この玉子焼きはすでに出汁で味付けしてあるので、そのまま食べても美味しくいただけます。でもお出しに浸して食べる方が出汁感が強まるので、僕は出汁に浸して食べる方が好きですね。
また、テーブル上には粉鰹や青のりが置いてあるので…
直接粉鰹をふりかけて食べたり…
青のりをふりかけて食べたり…さらに
甘口、辛口のお好み焼きソースも置いてあるので…
甘口ソースをつけて食べ、次は…
辛口ソースをつけて食べ(これだけ香味野菜が効いていてスパイシー)、さらに…
こんな感じでたこ焼き風にして食べることもできます。全部で玉子焼き20個もあるので、1人前でもやりたい放題味変を楽しめるんです。ここまで激安で、かついろんな味を楽しめるふなまちの玉子焼き…これを「まずい」なんて言い放つ人いるのかなぁ?明石に来たら必食でしょ、これ。ホントにおすすめです。
ただ残念なことに、令和3年3月から玉子焼きが650円→700円へと値上がりしてしまいます。この記事が公開される頃には、もう値上げした状態での営業が始まっているはずです。とはいえ、そもそもたった50円の値上げなんてどうでもいいくらいお得なふなまちの玉子焼き。値上げしたから「もう行くのやめよう…」なんて考える人は皆無なんじゃないでしょうか?
平日にはお好み焼きや焼きそばも!ふなまちへのアクセスは、最寄り駅のJR山陽本線・明石駅(山陽電鉄・山陽明石駅)から徒歩13分
学生時代の通学路にあったら絶対通い詰めるお店・ふなまちでは、平日には玉子焼きの他にお好み焼きや焼きそばも食べられます。お店のホームページから一部のメニューを抜粋すると…
- ブタ玉(お好み焼き) 400円
- タコ(そば焼き) 500円
- タコブタ(モダン焼き) 600円
- ミックス(オムそば) 700円
などなど、こちらも今の時代にありえないくらいの激安価格(注:2022年2月現在、値上げ前の情報です)。今回僕は土曜日の訪店だったのでお好み焼きや焼きそばにはありつけませんでしたが、今度はこれらを目的に平日に明石にやって来ようかなぁ…明石再訪が楽しみになりました。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
P.S. 兵庫で美味しい和食をお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
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