かつてインスタの投稿で…
と豪語していた京都・伏見稲荷近くのうなぎ料理専門店・京都炭焼鰻 土井活鰻(どいかつまん)。それを見て…
と考えた僕は、令和4年の土用の丑の日(二の丑ですが…)の夜にずっと前から時間を空けておいて、当日仕事帰りに寄り道してお店に向かいました。で、実際どうだったかというと…
土用の丑の日の夜なのに店内はガラガラ。でも…京都炭焼鰻 土井活饅 伏見稲荷店はこんなお店
祖父の代から川魚の卸売業を営んでいた家に生まれ、そのまま家業を営んでいた店主が業態を変えて京都炭火鰻 土井活饅を開いたのが平成30年3月。創業4年と鰻料理専門店としてはまだまだ新しいお店ですが、鰻に関する知識と経験は間違いなく豊富。年季の浅いうなぎ屋さんって何となく敬遠したくなりがちですが…
そんな期待と若干の不安を抱えながら、夕方の開店時間ちょうどにお店に到着。店内はやや薄暗く、入り口左手にレジとお持ち帰り用のカウンターがあって、客席はカウンター席、テーブル席、小上がりの座敷席合わせて32席あります。
さて、この日の僕は夕方開店後の1番乗りで、入店から30分ほど店内で過ごしたのですが、土用の丑の日の夜にも関わらずこの間に入店したお客さんは他に1組のみ。ホントに店内ガラガラで、BGMに混じって厨房からの調理の音が丸聞こえの状態。おかげで僕は最後までゆったりと食事ができたのですが…今この記事を読んでくれているあなたは、「土用の丑の日なのに、本当に大丈夫なのか?」と感じているかもしれませんね。
でも違うんです。店内のお客さんはまばらですが、その分テイクアウトがバカ売れ状態。新型コロナのこともあってか、みんな自宅で鰻を楽しむためにお持ち帰りにしているんですね(後でお店のインスタ見たら、テイクアウト10%引きセールをやってました。そりゃ、テイクアウトを選びますよね…)。あまりに店内が静かなので最初は「これってどうなの?」と思っていましたが、数分おきに入れ替わるテイクアウト目的のお客さんを見ているうちに、僕の気持ちも鎮まりました。
店主が厳選して仕入れた養殖鰻を堪能できるうなぎ料理専門店・土井活饅…うな重や蒲焼きの他、名古屋名物のひつまぶしも
さて、そんな京都炭火鰻 土井活饅では一体どんな鰻料理が食べられるのか?メニューを一部ご紹介しましょう…
- うな重 並3000円〜
- うなぎづくし定食 並3700円〜
- うなぎ蒲焼き 1尾4900円
- うなぎ白焼き 1尾4900円
- ひつまぶし 並3400円〜
こんな感じ(値段は税込)。これら代表的な鰻メニューに加えて、う巻き(800円)、うざく(500円)などのサイドメニューも一通り揃っています。
お店のウェブサイトによると、使われる鰻は愛知県三河産の鰻で、店主が厳選した良質な鰻を冷却循環器なるものに入れておき、鰻の動きを抑えながら直前まで生かしておくのだとか。想像するに、動きが緩慢になって脂を体内に蓄えたうなぎを捌き立てていただける…ということでしょうな。その特別な処理がされた上に炭火でじっくり焼かれたウナギ、一体どんな味がするんでしょうね?聞くだけであなたもワクワクしませんか?
うな重 豪華爛鰻:自慢のうなぎが1.5尾分の土井活饅最上位メニュー…さて、肝心のお味はどうだったかというと…
この日の僕が注文したのは、京都炭火鰻 土井活饅のメニューの中で最上位に位置するうな重 豪華爛鰻(お値段 税込7500円)。これにオプションで肝吸い(プラス300円)と玉子(プラス200円)をつけてもらいました。
注文してから約15分、目の前に運ばれてきたうな重 豪華爛鰻はこんな感じ。関西風に腹開きで捌かれた鰻の頭が、重箱に収まり切らずに外へはみ出しています。上にかぶさっている蓋を開けると…
中には蒲焼1尾分に加えて白焼が半身分で合計1.5尾分!さすがにこれだけ食べれば満足できますよね?しかも、いつもメニューを眺めていて迷う蒲焼と白焼を同時に食べられるわけですから、うなぎ屋さんでこれ以上の贅沢は正直思いつきません。
では、まず一番上の白焼を別皿に取り分けておいて…
蒲焼の方からいってみましょう…SNSで豪語するだけあって鰻の身は相当肉厚で、ベタな表現ですが「皮はパリッと身はふっくら」という言葉がそのまま当てはまる感じ。炭火で焼かれた皮の香ばしい香りが漂って鼻を刺激する一方、ふわふわの身は舌の上でほろっと崩れてタレと一体になった身の旨味を舌全体に広げていきます。
そんな肉厚の鰻ではありますが、僕の事前の想像に反して脂は少なめでした。何度か名古屋で食べたうなぎとは対照的ですね。物足りなさを感じる部分があるかもしれませんが、おかげでスイスイ箸が進みます。もしかしたら、この辺は味の好みの地域性が出ているのかなぁ…名古屋のひつまぶし発祥店・あつた蓬莱軒やミシュラン獲得店・うな富士でひつまぶしを食べた時なんか、食後の容器が脂でテカテカに光っていましたから。
一方この鰻にかかったタレも、京都らしさからくるものなのか、かなりあっさり目の味付け。卓上に追いダレが備え付けてあるので…
味が薄いと感じたら思う存分追加できるのですが、よくテレビ番組で紹介される有名うなぎ専門店のような「何十年継ぎ足した秘伝のタレ」という感じではありません。これはお店側が狙ってそうしているのか、あるいは歴史の浅いお店の限界なのかはわかりませんが、そこを期待して来店するとガッカリしてしまう可能性はありますね。
蒲焼を半身分楽しんだところで白焼の方へ。蒲焼以上に皮目はパリッと香ばしく、肉厚の身は白身魚のように淡白かと思いきや、一瞬遅れてうなぎ独特の滋味深い味がじんわりと舌の上に広がっていきます。このうなぎの身の旨味、たまりませんなぁ…わさびがよく合いますね。あ〜、お酒も欲しくなってきた。一旦始めると止まらなくなりそうなので、ここは我慢、我慢…
こんな感じで、アルコールへの欲求をなんとか抑えつつ無事完食。鰻の脂ではなく、身の方の旨味をしっかり堪能できる焼き加減でした。少なくとも土井活饅の鰻が美味しい養殖うなぎであることは間違いありません。でも、こうなると天然物の鰻との食べ比べがしたくなりますね…どこか近くで天然物の鰻を出してくれるところないかなぁ?ちょっと探してみようかな…
祇園八坂に2号店が…京都炭火鰻 土井活饅 伏見稲荷店へのアクセスは、最寄り駅の京阪電鉄・伏見稲荷駅から徒歩2分
そんな京都炭火鰻 土井活饅は令和3年6月、八坂神社の南側に2号店・祇園八坂店をオープンしました。なんでも今はこの祇園八坂店は、店主の息子さんが中心になって頑張っているようですね。祇園エリアは特に敷居の高さを感じるお店が多い中、僕たち庶民にとってはありがたみを感じるお店になりそうです。祇園で鰻を食べたくなったときは、土井活饅 祇園八坂店の存在も思い起こしてみてください。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
JR奈良線・稲荷駅からも徒歩6分で行けます。
P.S. 京都で美味しい鰻をお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
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