京都のラーメン激戦区・一乗寺の中でも、かなり古い歴史をもつラーメン屋の1つが、今回ご紹介する「珍遊」です。戦後間もない昭和25年に屋台として初代珍遊がスタートし、のちに一乗寺に店を構えて、現在までラーメン人気を支え続けてきた名店の1つ。鶏白湯背脂系ラーメン一本で70年近くも営業を続けてきた、京都ラーメンの歴史を語る上で欠かせない一店舗です…
珍遊|創業後70年近く変わらずハイレベルな背脂系ラーメンを提供する一乗寺のレジェンド
年季の入った暖簾をくぐると、店主の「いらっしゃい!」という威勢の良い声が店全体に響き渡ります。客席はアイランド式の10人掛けテーブル席が2卓に、普通の4人掛けテーブル席3卓。年代を感じさせる内装ながら清潔感があり、結構明るくスペースが十分にとってあるので、近年の行列店にありがちな窮屈さはありません。本棚には「北斗の拳」など昔の名作単行本がズラリと並び、その光景からもお店の歴史が感じられます。
珍遊のラーメンは、鶏白湯背脂系のルーツとされる中華そば1種類。これをベースに麺の硬さや背脂・ネギの量をカスタマイズして、お好みの味を作っていきます。トッピングは生玉子、味玉子、メンマ、半キムチ、チャーシュー、のりの6種類。全乗せにすると+400円で、個別にオーダーするよりちょっとお得になります。
珍遊のメニュー例(ラーメンは並サイズ:小と大は表記の値段から±100円)
- 中華そば 680円
- 鉢一面チャーシュー 830円
- 味玉入り 780円
- 中華そば全部のせ 1080円
- 半チャン定食 880円
- 唐揚げ定食 900円
- 餃子定食 900円
中華そば:やや濃いめの醤油と背脂のコクがクセになる定番の背脂チャッチャ系ラーメン
今回僕が注文したのは、中華そばに唐揚げとライスをつけた唐揚げ定食。カロリー高そうな組み合わせですが、なかなか唐揚げやめられません。中華そばの麺は硬め、ネギ普通、背脂多目にしてもらいました。まずは中華そばから…
丼はちょっと小ぶりですが、唐揚げとご飯もつくのでボリューム的にはちょうどいいです。スープ表面に浮かぶたっぷりの背脂が食欲をそそります。具材は中央にこんもり盛られた九条ネギとチャーシュー、メンマ、のり1枚。薄いですがチャーシューが3枚入っていて、ちょっとしたお得感もあります。
さっそくスープを一口…鶏ガラや丸鶏、モミジ等を炊いて乳化させた鶏白湯に醤油と背脂を加えたスープは、ますたにのラーメンと比較するとしっかりめのしょうゆ味をしています。ここに背脂のコクと甘みが加わって定番のまろやかな旨味をつくりだし、後味を残さずサーっと引いていきます。
これに対する麺は中細ストレートの低加水麺。背脂スープをしっかり口元へ運ぶとともに、北海道産の小麦の香りもしっかり伝えます。硬めに茹でてもらったのもあって、噛むと軽く抵抗感があり、わずかにもちっとした感触を残しながらプッツリ切れて胃袋へ収まっていきます。
そして、中華そばを少し食べ進めたところで、セットの唐揚げが運ばれてきました…
鶏卵大の鶏もも肉の唐揚げが3個。どれもこんがりとした揚げ色をしています。衣は薄めなので難なく噛み切れて、中からもも肉の脂がジュワーっとあふれ出てきます。
ただ、鶏肉や衣自体には下味がほとんどついていない(揚げ色からは醤油だれに浸かっていた印象はありますが)ので、一緒に運ばれてくる唐揚げ専用の塩をまぶしながら食べていく感じです。中華そばのスープを味噌汁代わりにして、もう少し食べたい時にお腹を満足させるのにピッタリのサイドメニューです。
京都市内外に3つの支店あり…珍遊 一乗寺本店へのアクセスは、最寄り駅の叡山電鉄・一乗寺駅から徒歩4分
珍遊は一乗寺にある本店の他に、現在では河原町六角店、大手筋店、大津店と3つのエリアに支店を出しています(葛野大路四条店は残念ながら閉店となりました)。「一乗寺まで行くのは大変」という方にとっても、ご自宅や職場の近くで同じ味を楽しめるようになったのは嬉しいことですよね。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
珍遊 一乗寺本店 (ラーメン / 一乗寺駅、茶山・京都芸術大学駅、修学院駅)
夜総合点★★★★☆ 4.5
住所:〒606-8184 京都府京都市左京区一乗寺払殿町24
電話番号:075-702-2944
営業時間:11:00-24:00
定休日:年中無休
駐車場:近隣に提携駐車場15台分あり
クレジットカード払い:不可(現金払いのみ)
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