以前「駅から遠いけれど、いつも行列が絶えないラーメン屋がある」と誰かに紹介されて以来、ずっとマークしていた極麺青二犀(あおにさい)にやっと行くことができました。そのチャンスが訪れたのは、甲子園で高校野球をやっている夏真っ盛りの土曜日。もはや夏の風物詩、ビールを飲みながらの高校野球観戦もいいのですが、次にいつ訪れるかわからない青二犀への訪問チャンスと天秤にかけたら、そりゃあいくらクソ暑くても、たびたび大阪のラーメンランキングに掲載される超人気ラーメン店を取りますよね…
というわけで、この日お店に到着したのが開店時間を20分過ぎた10:50頃。もちろん多少の混雑は覚悟の上での訪問だったのですが、実際の混み具合はどうだったかというと…
行列に並ぶ人達にもとっても優しい…極麺 青二犀はこんなお店
JR吹田駅方面から府道14号線を東の方向に歩いていき、サイゼリアを過ぎたあたりから小さく見え始める人だかり…そこが極麺 青二犀のある場所。店頭に3人、ちょっと広めの歩道を挟んでガードレール沿いにズラリと約15人…この行列を見て、ここから1時間待ちを僕はなんとなく悟りました。まだ11時にもなっていないというのに…最初に聞いていた噂は本当でした。
この時点から僕の入店までの待ち時間は、想像通りの約1時間。その待ち時間は覚悟の上で来たのでいいんですが、お店が南向きにあるので、行列に並んでいる間はモロに真夏の直射日光を浴びてしまいます。これがキツかった…
そんな真夏の酷暑を100%避けることはできませんでしたが、お店の配慮のおかげでいくらか楽に待ち時間を過ごすことができました。青二犀の隣ではサイノカレーという系列のカレーショップが営業しているのですが、このお店の前に日傘や団扇が置いてあって、行列に並んでいる人はこれらを自由に使えます。さらに、この日は実際に使っている人はいなかったのですが、なんとサイノカレーで冷たい水を出してくれるのだとか…
僕は日傘と団扇をありがたく使わせてもらって、真夏の炎天下の時間を無事乗り切りました。いろいろ配慮してくださるお店の方に感謝、感謝です。
極麺 青二犀のレギュラーラーメンメニューは全部で6種類:店主は清湯スープへのこだわりがとにかくすごいらしい…
店主と奥様の2名で切り盛りしている極麺 青二犀はこぢんまりしたラーメン屋で、客席は厨房に沿って一列にカウンター席が8脚のみ。この日の僕は一番奥の席に着席し、目の前に置いてあるメニューに目を通します。
極麺 青二犀のレギュラーメニューはこんな感じ。大きくあっさり系とこってり系の2種類に分類され、それぞれ醤油ラーメンと塩ラーメン、加えて担々麺が2種類ラインアップ。あっさり系には鶏清湯、こってり系には鶏白湯スープが使われます。
すぐ近くにあるらーめん彩哲と同じように、メニューに麺の大盛りや替え玉、茹で加減の調整には対応しないときっぱり断りを入れているところなんかは、完成品に対する店主の強いこだわりが感じられますね。そもそも、清湯スープに並々ならぬこだわりを持つと評判の店主ですから、これくらいのこだわりなんて些細なものかもしれませんが…
あっさりしょうゆらーめん:極麺 青二犀の一番人気メニューはやはりこれ!店主こだわりの鶏清湯醤油スープは…
それでは、極麺 青二犀で食べられるメニューをいくつかご紹介していきましょうか。まずは青二犀の一番人気メニュー・あっさりしょうゆらーめん。お値段 税込750円と、今時のラーメン人気店としては破格の安さで提供されていますが、実際目の前に着丼したラーメンを見ると…
着丼したラーメンはこんな感じ。見た目にシンプルですが、ボリューム感などは他の人気ラーメン店と全く遜色ありません。何より丼の縁に1枚横たわっている大きなレアチャーシューが存在感ありありで神々しく見えます。
では、早速スープからいただいてみましょう…醤油は薄味ながら、鶏の出汁はしっかり感じられて、鶏油のコクもしっかり感じられる。少し遅れてほんのりした甘味が舌の上で広がっていき、喉元を過ぎれば後味残さずにサーっと消えていく感じ。なんか、絶妙に淹れられた薄口コーヒーのように、二口目、三口目…とレンゲが止まらなくなりそうなスープです。けっこうな薄味ですが麺や紡の淡成らーめんよりずっと味がわかりやすく、僕の身体に標準装備されたバカ舌でもその美味さは十分に感じられます。
一方、これに対する麺は日本蕎麦のように角がキリッと立っていて、かつ生パスタのような食感を併せ持つ自家製のストレート細麺。硬めに茹で上がった麺が口の中に入ると、麺の角と独特なツルツル感が心地よく口の粘膜を刺激し、生パスタのような独自の質感がズシリと舌の上に乗っかり、噛めばその歯切れの良さが刺激的で、最後はスルッと喉元を通り過ぎていく…店名の頭にある「極麺」という単語に納得です。しかも、あっさりしょうゆらーめんではスープが薄味な分、他店とは違う自家製麺の個性が際立って感じられます。
そして、丼に1枚ドーンと鎮座した大きなレアチャーシュー。厚さが3mmくらいあって、「たった750円で本当にこれもらっていいの?」と感じてしまうくらいのサービストッピング。見た目通り肉肉しさ満点で、これ1枚で十分すぎるほどの食後の満足感が得られます。鶏清湯スープに全体を軽く浸して食べると、鶏の出汁と醤油が全体に薄味をつけつつ、チャーシューそのものの旨味を一層強調して、僕の舌を存分に楽しませてくれました。
極麺 青二犀のあっさりしょうゆらーめん、構成はシンプルなのですが、それぞれのパーツが他店の醤油ラーメンとの違いを明確にしていて、全体としてもここでしか味わえない独創性の高い味になっています。メニューを見てどれにするか迷ったら、まずはあっさりしょうゆらーめんから試してみるのがおすすめです。醤油ラーメン派の大阪人にとっては必食レベルの一杯でしょう。
こってり鶏しょうゆらーめん:濃厚でありながら優しい鶏白湯…青二犀自慢の清湯スープとの違いを楽しむのもおすすめ
続いてご紹介するのが、鶏白湯スープを使った極麺 青二犀のもう一つの醤油ラーメン、こってり鶏しょうゆらーめん。お値段は税込850円とあっさりから100円upですが、それでも十分リーズナブルですよね…
目の前に現れたラーメンはこんな感じ。スープが白濁している以外には、あっさりしょうゆらーめんとの違いはありません。相変わらずレアチャーシューの存在感が際立っています。このレア感満点の分厚いチャーシューを眺めるだけでも、食欲がグッと掻き立てられますよね。
では、スープからいただきましょう…ややとろみのついた白濁スープを舌に乗せると、濃厚でありながら強すぎない鶏の旨味と程よい醤油味が口いっぱいに広がっていきます。ポタージュスープのような優しい鶏白湯で、他店と比較するなら京都にある鶏白湯スープのパイオニア・天天有のスープに近いです。鶏の旨味が濃厚でありながら刺激は強くないので、後半になっても全然食べ疲れを起こしません。とにかく強い刺激を求める若者向けというよりは、小さな子供でも年配の方にも受け入れられやすい味になっていると思います。
このスープに合わせる麺は、あっさりしょうゆらーめんの時と同じ角がキリッと立った自家製麺。麺の食感は同じなのでここでの感想は省略しますが、あっさりスープの時とは違い、ソースを絡めたパスタのような感覚で麺をすすることができます。
そしてトッピングのメイン、レアチャーシュー。これも麺と同じく、鶏白湯スープに浸して食べるとソースのかかった肉塊にかぶりついているような感覚に。清湯スープの時はレア肉の旨味を味わう和風な味、一方の白湯スープの時はソースをたっぷりかけていただく洋風な味。スープの違いによるチャーシューの味の変化を楽しむのもまたオツなもの。
こうして今回2つの鶏ラーメンを食べ比べてみましたが、青二犀のラーメンにはパーツそれぞれに他店にない特徴があるので、スープの違いによって味の印象が変わるのがすごく良くわかります。もしあなたに青二犀を訪れるチャンスが2回あれば、僕と同じく鶏清湯と鶏白湯の食べ比べをしてみるのもおすすめです。
やきめし:関西No.1焼き飯のエッセンスを引き継いだ極麺 青二犀の人気サイドメニューは…
サイドメニューからも1つご紹介しましょう。こちらは極麺 青二犀のサイドメニューの中でも人気が高いやきめし(お値段税込450円)。見た目はこんな感じで、ビジュアル的に特別に目を引くものはないのですが…
関西のチャーハンランキングでNo.1に輝いた天六の人気店・総大醤をご存じですか?青二犀の店主は平成25年7月に今のお店を開く前、ここで修行していたんです。つまり、ここのやきめしは関西No.1チャーハンのエッセンスを引き継いでいるわけで、それを聞けば食べる前から期待感が高まりますよね。
では、実食…口に入れてまず感じるのは胡椒の香り。一瞬遅れてほんのりした醤油味が舌の上に広がり、しっとり感のあるライスが口の中でホロホロと解れていく独特の食感へとつながります。総大醤の焼き飯と比較すると、少しだけですがライスがしっとり感覚からパラパラ感覚に寄っていて、胡椒の香りが効いていてやや刺激が強め。夜の〆に食べても優しい総大醤の焼き飯から、昼間にがっつり食べたい人の食欲を満たすためのサイドメニューに向けて味をシフトしたような感じです。
そしてこのやきめしの中に、チャーシューが結構ゴロゴロと入っているんですよね。しっかりお腹を満たしたい時には、このやきめしはうってつけです。総じて言えば、総大醤の焼き飯をランチタイム向けにアレンジを加えた感じでしょうか。昼間のみ営業の青二犀にはこちらの味の方が合っていると思いますし、単純に両者を比較しても僕は青二犀のやきめしの方が好きですね。
期間限定ラーメンもやってます…極麺 青二犀へのアクセスは、最寄り駅のJR京都線・吹田駅から徒歩13分
こんな感じの極麺 青二犀ですが、今回ご紹介した基本ラーメンメニューの他に、期間限定メニューもいくつかやっています。この日の限定メニューは煮干しを使ったラーメンが数種類。随時変更していくので、定番メニューを一通り食べた後でも青二犀に通う理由ができますよね。駅からちょっと遠いのが難点だけど、やっぱりまた来たいなぁ…
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
阪急京都線・相川駅からだと徒歩15分の距離です。
P.S. 大阪で美味しいラーメンをお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
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