兵庫県尼崎市塚口という閑静な住宅街に2014年7月、らぁめん矢 ロックンビリーS1(スーパーワン)という名の個性的なラーメン屋が登場しました。ここの店長である嶋崎順一さんは、かつて神奈川県相模原市→東京都町田市→港区赤坂と場所を替えながら各地で長蛇の行列を作っていた、ラァメン家 69’N’ROLL ONE(ロックンロールワン)という伝説的なお店の店主だった人。
その人が、行列ができる人気店を閉店してまで、縁もゆかりもない尼崎へなぜ移転を選んだのか?その理由は僕には分かりませんが、このらぁめん矢 ロックンビリーS1も今では食べログのラーメン百名店WESTに6年連続で選出され、テレビ番組「水野真紀の魔法のレストラン」で紹介されるなど、すでにかなりの実績を積み重ねてきています。
今回はその尼崎のロックンビリーS1へ、とある祝日の開店時間直前に訪問。訪問前は「かなりクセの強そうなお店」とイメージしていたのですが、実際に行ってみて少し印象が変わりました…
実はかなりゆっくり時間が流れる…らぁめん矢 ロックンビリーS1はこんなお店
僕がらぁめん矢 ロックンビリーS1に到着したのは開店時間11:00の5分前くらいだったのですが、その時点で先客は7人でした。開店の時間で僕も含めて行列に並んでいた人は10人。祝日の割には開店前の行列はおとなしめな印象でした。
2階にある店内に入ると右側に厨房があって、それを囲うようにコの字型にカウンター席が8脚(新型コロナ禍前は10脚あったようです)。そのカウンター席の後ろに少しスペースがあって、ここに店内での待機用の椅子が5人分置かれていました。そのお店を切り盛りするのは、店主の嶋崎さんとその娘さんの2人だけ。お弟子さんらしき人はいませんでしたが、このまま一代で燃え尽きるつもりなんでしょうか?そうだとしたら、せっかくの人気店なのにもったいないなぁ…と思います。
それはさておき、意外なことに、店内はあまりロックンロールしていないんですよね。店主の嶋崎さんは髪型をビシッとリーゼントにキメているのですが、その見た目に反して口調は柔らか。仕事ぶりもどちらかというとマイペースで、チャキチャキラーメンを作るのではなく、2〜3杯ずつ手の届く範囲で着実に作っていく感じです。
そんな感じで店内の時間はかなりゆっくり目に流れていくので、お客さんの回転効率はラーメン屋としては良くないです。僕がお店を出た11:45頃には店内・外合わせて20人くらいの行列ができていたのですが、このくらいになると軽く1時間を超える待ち時間になりそうな気がします。
限定メニューにも要チェック!らぁめん矢 ロックンビリーS1のメニューはこんな感じ
さて、らぁめん矢 ロックンビリーS1のメニューをご紹介すると…
主力となるのは、それぞれ「尼ロック」「Sロック」と名付けられた醤油ラーメンと塩ラーメンの2種類。この他「元祖」を名乗る昆布水のつけ麺と味噌ラーメンのMロックもありますが、残念ながらどちらも曜日限定なので、いつ行っても食べられるものではありません。また、木曜日限定のメニューがインスタで告知されているようなので、特に木曜日は訪店前のインスタチェックが必須です。
醤油らぁ麺も塩らぁ麺も、特別な機械で濾過した純水と鶏だけで作った、いわゆる水鶏系スープのラーメン。しかも使われている鶏は秋田の高級ブランド鶏・比内地鶏と来れば、そのスープの味にめっちゃ期待感が高まりますよね。時間があれば醤油と塩を連食したいな…と思うくらい。でも残念ながら、連食する場合は改めて行列に並び直さなければならないのがロックンビリーS1のルール。ここは涙を飲んで、どちらか一杯に抑えておきましょうか…
らぁめん矢 ロックンビリーS1のメニュー例(値段は税込)
- 尼ロック(醤油らぁ麺) 1100円
- Sロック(塩らぁ麺) 1100円
- Mロック(味噌らぁめん、火曜日限定) 1100円
- 元祖昆布水のつけ麺(木・日・祝は提供なし) 1600円
醤油らぁ麺:らぁめん矢 ロックンビリーS1の看板メニューをトッピング全部のせで食す
僕がこの日にらぁめん矢 ロックンビリーS1で注文したのは、醤油らぁ麺のトッピング全部のせ(お値段 税込1600円)。注文してから待つこと30分超、ラーメンマニアには有名な嶋崎さん独特の湯切り動作を経て、待ち望んだラーメンが着丼となりました…
う〜ん、トッピング全部乗せにした割には、かなり寂しい見た目ですね。尼ロックからプラス500円するのですから、もっと具材をドカッと入れてくれてもいいように思います。その意味ではちょっと期待外れだったのですが、肝心のお味はどうなんでしょうね…
というわけで、早速スープからいただきましょう…一口目、かなりオイリーです。というのは、鶏油がおそらく他店の倍量くらい入っているんですよね。なので鶏油のコクが半端ないです。その一方、配膳直前に回しがけされた生姜汁(?)で脂っこさはだいぶ中和されているので、多量の鶏油による食べにくさは感じられません。
その鶏油のコクを追いかけてやってくるのが、鶏清湯の透明感ある出汁感と醤油の香ばしさ。ロックンビリーS1で使われている醤油は塩分を効かせたエッジのあるタイプで、鶏清湯の上に乗っかって香りとともに自己主張してきます。かと思えばキレも良くて、喉を通れば後味残さずスッキリ。全体的には淡麗系ながら、ちょっとクセのあるようなところも感じられて興味深いスープでした。
これに対する麺はやや低加水寄りの中細ストレート麺。鶏油の効果もあってかスープの吸い上げは抜群で、口当たりなめらかでスルッと口の中に入ってきます。噛むと程よいコシがあって、小麦の香りはそれほどではありませんが、スープに含まれた鶏の旨味はしっかりと放出。麺が喉元を過ぎた後も、醤油の香りがふわっと鼻に抜けていきます。
さて、トッピングのチャーシューは豚ロースのスライスが1枚と…
小さな鶏胸チャーシューが2つ。これらの味は、正直言って割と平均的な感じでした。特に鶏胸チャーシュー、これも比内地鶏なんでしょうか?今まで何度か秋田で食べてきた比内地鶏のインパクトはなかったです。これならチャーシュー追加しなくてもいいかなぁ。
最後に味玉。割ってみると、黄身はとろとろ感を残しながらも勝手にスープに流れて行かない、僕の好みでいうとドンピシャの茹で加減。ちょっと甘めのつけだれの味がして、この卵は美味しくペロリといけました。
こんな感じのロックンビリーS1の醤油らぁ麺全部のせ、全体的にはあまり満足度は高くなかったです。決してラーメンが「まずい」ということはないのですが、コスパ的に釣り合っていないような感じは否めません。
周りのお客さんの丼をのぞいてみると、尼ロックでも豚チャーシュー1枚入っていたので、きっとトッピング追加するよりも尼ロックやSロックでおさえておくほうがお得感が高くなるでしょうね。次にこのお店に来ることがあったら、トッピングはせいぜい味玉までにしておこうかな…
駐車場完備なのは何気に嬉しい…らぁめん矢 ロックンビリーS1へのアクセスは、最寄り駅のJR福知山線・宝塚駅から徒歩8分
そんならぁめん矢 ロックンビリーS1は、すぐ近くの駐車場に8台分の駐車スペースを完備しています…
ラーメン屋に車で来れるって何気に嬉しいですよね。しかも、駐車スペースが8台分も…まあ、競争率が高くなりそうなので当ブログで車での訪店をおすすめするわけではないのですが、1つの選択肢として頭の隅にでも置いておくと将来役に立つかもしれません。ちなみに…
無断駐車は罰金100万円らしいです。本当に100万円請求されるかどうかはともかくとして、監視カメラが店内の厨房につながっていて、時折チェックが入っていることはお伝えしておきます。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
阪急神戸線・塚口駅からだと徒歩12分の距離です。
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