沖縄旅行で美味しい沖縄料理のお店を探すとき、必ずと言っていいほど検索に引っかかってくるのがゆうなんぎいというお店。マングローブ周囲に生息しているオオハマボウ(ユウナの木)を意味する沖縄方言を冠したこのお店は、実は1970年からすでに50年以上営業を続けている沖縄料理店の先駆けみたいな存在でもあるんです。
そのゆうなんぎいとは今までなかなかご縁がなかったのですが、今回ようやく都合がついて念願の訪店!ここで美味しい沖縄郷土料理を堪能しようと思っていただけなのですが、僕が今まで知らなかったとんでもなく美味しいものに出会ってしまったのでした…
ゆうなんぎいは原則予約不可!待ち時間を覚悟して早めに行列に並ぶべし!
そのゆうなんぎいに、とある週末の夜8時半くらいに到着。お店は原則予約不可なので、店頭に入店待ちのお客さんが並んでいます。この日の先客は10人くらい。いかにも観光客風の人から夜のお店で働いてそうなお姉さんまで、客層は様々です。
この状態から待ち時間20分ほどで入店。思ったより早めに入店できました。客席数は店内入って右手に小上がりの座敷席が3卓、その奥に4人がけテーブル席が3卓、左手の厨房に沿ってカウンター席が5脚。スペースはちょっと狭めですが、お一人様でも子供連れでも全然OKです。
お店のスタッフさんはご主人を除いて全員地元のお母さん方のようですが、みなさん料理についての知識が豊富で驚きました。おすすめの品や食べ方なんかも、気軽に聞いてみるといいと思います。
ゆうなんぎいの沖縄料理メニュー:沖縄そば以外は概ね対応、夜にも定食が食べられます
そんなゆうなんぎいのレギュラーメニューは、こんな感じ…
ゴーヤチャンプルーなど炒め物に加えてもずくの天ぷら、グルクン(タカサゴ)の唐揚げなど、沖縄料理のポピュラーなところは一通り注文できます。対応できないのは沖縄そばくらいでしょうか。値段もリーズナブルですし、昼夜問わず一品料理にプラス200円でご飯味噌汁付きの定食にできるのも嬉しいところです。
これらのフードメニューの中でも、ハイライトはこうした沖縄料理の代表的なところを全て堪能できる「ゆうなんぎい定食」でしょうか。A定食とB定食があって、どちらも居酒屋での飲み代くらいのお値段はします。でも、いろいろ沖縄料理を堪能したいけれど時間がない…という場合には、しっかり胃袋のコンディションを整えておいて、コース料理としてこれらの定食を利用するのもありかもしれません。
フーチャンプルー:ゆうなんぎいの名物料理はブログで再現レシピが出るほどの人気メニュー
さて、せっかくの沖縄の夜なので泡盛で一杯…といきたいところですが、胃の粘膜を守るためにも、まずはお腹を満たしましょう。この日の僕が最初にオーダーしたのが、ゆうなんぎいの名物料理の1つ・フーチャンプルー(お値段 税込690円)。もちろんご飯と味噌汁をつけて定食にしてもらいました(+200円)…
こんな感じで、2〜3人でシェアしてもいけるくらいのボリュームがあるフーチャンプルー。これを独り占めできるなんて最高ですな。
では、実食…もやしがシャキシャキで、車麩が肉のような食感を出し、そこに沖縄名物のコンビーフハッシュ(?)が肉の旨味をプラス。こんなの、まずいわけがありません。特に車麩がお出汁をしっかり吸い込んでいて、噛むごとに絶妙な塩加減のお出しがじゅわ〜っと…これが白ごはんを誘うんです。もう、味噌汁の存在を忘れてご飯とフーチャンプルーの間をピストン運動。あっという間に完食です。
このフーチャンプルー、実は沖縄県外の人にもファンが多くて、検索すると再現レシピを載せたブログが見つかったりします。それを参考に自宅で再現してみるのもいいですが、沖縄に行くことがあればぜひ本物の味を試してもらいたいものです。
ラフテー:沖縄では珍しい味噌煮込み。プルプルとろとろに仕上がった豚肉のお味は…
フーチャンプルーでお腹を満たし、次に注文したのは泡盛のつまみとしてオーダーしたラフテー(お値段 税込790円)。沖縄料理の定番中の定番で、ゆうなんぎいではフーチャンプルーに並ぶ名物料理の1つになっています…
ラフテーって本土で言う豚の角煮なんですが、本土の豚の角煮と違うのは「皮付きの豚肉を使うこと」と「泡盛を使って煮ること」。豚肉に泡盛のエキスが染み込んでいるんですから、そりゃあ泡盛に合わないわけがありませんよね。
でも、ゆうなんぎいのラフテーは自家製味噌仕立てで、他の店の醤油仕立てのラフテーともちょっと違います。まあ、沖縄料理って元々はそれぞれの家の家庭料理ですから、お店ごとに味付けが違っていて当然なんですけどね。
それはさておきこのラフテー、見た目にもすごくキレイじゃないですか?味噌だれでコーティングされた豚の皮が光っていて、プルプルした食感が見ただけでわかる感じ。実際に箸を入れた感覚も、表面はプルプルで中はとろとろ。甘めの味噌が泡盛で引き締まり、そこに豚肉の旨みが溶け出して…もう、控えめに言って最高です。
お酒のお供としてもいいですが、白ご飯にこの味噌だれをかけて食べるのも、想像しただけでヨダレが…豚の角煮って家で作るの面倒だし、豚肉嫌いじゃなかったらフーチャンプルー以上に食べておくほうがいい沖縄料理かもしれません。
花酒:与那国島でしか製造されていない泡盛の最上級バージョン。こんなお酒があるなんて知らなかったなぁ…
さて、実はここからが本題。今回、上の名物料理2種類以上にご紹介したいものがあるんです。それは「花酒」と名付けられたちょっと聞き慣れないお酒。ドリンクメニューを見ると、古酒が一合820円までなのに対して花酒は一合なんと2200円。この価格設定を見ても、この花酒が希少なお酒であることが十分伝わってきます。
で、この花酒って何なのか、お店のお母さんに聞いてみました。花酒とは泡盛を蒸留するときに最初に出てくる、一番純度の高い部分だけを使ったお酒のこと。沖縄でも与那国島でしか製造を許可されていない超希少な泡盛なんです。
一般的に入手できる泡盛・古酒とどう違うのか?いや、もう旨味と香りの濃度が段違いです。味ももちろんですが、口から鼻へ抜ける泡盛独特の芳香が、普通の泡盛とは雲泥の差。そして雑味が一切なし。正直、今まで飲んでいた泡盛って何だったんだろう…って思うくらい風味が全然違います。これ、呑兵衛の手元にあったら、きっと人生破綻するでしょうね。
ただ、その一方でアルコール度数も段違い(今回いただいたもので60%)。口や喉がヒリヒリするやつです。強いお酒が苦手な人は、水や氷で割って楽しむといいでしょう。でも、本当はストレートでちびちび舐めるように飲むのが一番おすすめ。もしあなたが呑兵衛を自称するなら、このお酒は沖縄で絶対に飲んでおくほうがいいです!
それにしてもこの花酒、なんでこんなに知名度が低いんでしょう?与那国島以外では製造を認められていないし、花酒を熟成させた古酒も市場に出てこない。このお酒を飲んで、いくつかの疑問が僕の頭の中に浮かびました。
その理由は、おそらく花酒が作られる文化的背景にあります。詳細はリンク先に譲りますが、花酒は本来商業用ではなく、7年経ったら消費される運命にあるものなので、それ以上の期間熟成された古酒なんてものは出回ってこないのでしょう。
でもありがたいことに、この花酒も沖縄土産として通常購入は可能です。与那国島文化を守る意味も含めて、僕も1本購入しました。そしてこれを10年以上保存して、将来熟成の進んだ花酒の古酒を楽しみたいと思います(ウイスキーと違い、泡盛は瓶詰めしても開封しない限り熟成が進んでいきます)。
もしあなたが泡盛好きなら、僕と同じように花酒を1本買ってみてはいかがですか?わざわざ沖縄にまで行かなくても、今はありがたいことにAmazonや楽天でも購入ができますよ。
ランチもおすすめ!ゆうなんぎいへのアクセスは、最寄り駅の沖縄ゆいレール・県庁前駅から徒歩5分
さて、そんなゆうなんぎいはランチタイムも大盛況!沖縄随一の商業地域・国際通りに近いこともあり、いつ訪れても地元客や観光客で満員です。
特にランチタイムのみに提供される日替わり定食は、開店30分後には売り切れてしまうことがあるんだとか…それ以外にも、何を頼んでもハズレのないゆうなんぎいの定食メニュー、美味しい沖縄料理のお店をお探しなら、まずはここがおすすめです。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
お店の評価に客観性を持たせるために、他のフードブログに書かれているゆうなんぎいの口コミも紹介しておきますね…
ラフテーは味噌味でちょっと甘めだけどご飯がすすむくん。
さとちんのPlatinum Days:行列なのも納得!おいしい沖縄グルメが食べられる「ゆうなんぎい」
ご飯は1回おかわりできます。
えぇ、おかわりしましたとも。
フーチャンプルの麩が食感&味ともに最高においしい!
いなむるちの豚肉が存在感ありで、こちらも大満足。
こっちで豚汁作ると豚小間だものね。
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