提供店舗が日本とアジアに全部で1000以上あると噂され、もしかしたらあのラーメン二郎よりもラーメン業界への影響力は強いのかも?と想像される家系ラーメン…その家系ラーメンの源流で、1974年に横浜の杉田で開業し、現在は横浜駅西口で営業を続けている家系総本山 吉村家に行ってきました。
創業者である吉村実さんは現在会長としてお店に名前を残しているものの、お店の運営は社長である息子さんが中心になって行っていて、もう創業者が作る家系ラーメン元祖の味に触れることはできません。それでも以前と変わらず連日長蛇の行列を作っているという事実は、息子さんの作るラーメンが初代の味と遜色ないことを示しているのではないでしょうか。
そんな超人気ラーメン店・吉村家ですから、きっと昼と夜のピークの時間帯にはものすごい行列ができていて、下手したら1時間以上待ちも…?さすがにそれはしんどいので、逆にお客さんが少なそうな午後4:30頃を狙ってお店を訪問。家系総本山 吉村家はアイドルタイムなしの通し営業をしているので、そこはホントにありがたかったですね。でも、だからといって待ち時間ゼロで入店できるほど甘くはありませんよ…
令和5年3月24日に新店舗へ移転…新しくなった家系総本山 吉村家の行列の並び方を解説
家系総本山 吉村家は前店舗の賃貸契約満了に伴って、令和5年3月24日に新店舗へ移転しています。新店舗のある場所は前店舗から徒歩2分ほどの場所にあり、今度は賃貸ではなく自社ビル内での営業とのこと。ということは、今後特別な事情がない限り同じ場所での営業がずっと続くということであり、今後数十年はここでずっと家系ラーメン発祥店の味が楽しめるということを意味します。「いつか家系ラーメンの元祖の味を…」と願っている全国の家系ラーメンファンの方、どうかご安心を。
さて、お店の移転に伴い、当然ながら行列の並び方にも変更があります。まずは下の地図をご覧ください…
この地図にあるように、お店の入り口付近を先頭にして①→②の順に並んでいくのですが、この①から②のエリアに並べるのは10人程度と多くありません。その後に並ぶ人はちょっと離れた③のエリアに移動するのですが…
ここは神奈川県立横浜平沼高校のグラウンド横に沿った路地で、かなり直線が長いので、仮に100人レベルの行列ができたとしても大丈夫そうですね。
こうして吉村家新店舗の行列の並び方をまとめてみると、おそらく一番難しいのはお店に来た時に「②か③のどちらに並ぶのか?」の判断だと思います。でも、基本的に2〜3名の店員さんが店外で行列整理をしているので、彼らの指示に従えば大丈夫。③のエリアで待っている時も、①〜②のスペースに空きができたらちゃんと呼びに来てくれるので安心できます。ちなみにこの日、僕がお店を訪店した時で行列に並んでいたお客さんは全部で16人、入店までの待ち時間は約20分でした。
これぞ家系ラーメンの原点の味!家系総本山 吉村家で食すラーメン、どうだった?
家系総本山 吉村家の注文は食券制で、入店が近づいた頃に先に食券を購入するルールになっています。気になるメニューはこんな感じで…
麺量(並・中盛・大盛)やチャーシューの増量、トッピング追加などでバリエーションを出すことは可能ですが、土台となるラーメンのメニューは豚骨と鶏ガラがベースの醤油スープ一択。他に選択の余地がありません。逆に言えば、この豚骨醤油ラーメンひとつで全国に熱狂的なファンを大勢生み出したわけですから、このラーメンがどれだけ凄いものなのかがよくわかります。
厨房に沿って17脚あるL字カウンターの1つに座って(2階にもカウンター席6脚と4人がけテーブル席1卓あり、総席数は27席)食券を店員さんに手渡します。この時に…
- 麺の硬さ(硬め・普通・柔らかめ)
- 味の濃さ(濃い口・普通・うす口)
- 鶏油の量(多め・普通・少なめ)
をカスタマイズできるので、自分の好みの味を持っている人は忘れずに店員さんに伝えるようにしましょう。
さて、注文を終えてから待つこと約5分、僕が注文したラーメン(並、お値段 税込800円)はこんな感じ…
トッピングはもはや家系ラーメンの代名詞ともなった大きな焼き海苔3枚とほうれん草、1枚のチャーシュー…これらで丼の表面がほぼ覆い尽くされていて、シンプルなんだけど豪華な印象を見た目に感じます。そうそう、今回の味のカスタマイズは麺の硬さ、味の濃さ、鶏油の量全て普通。つまり、正真正銘のど・ノーマルです。
それでは、早速スープからいただきましょう…一口目は若干オイリーで、舌先に軽くとろみを感じます。そこから口の中に動物系の旨味が広がっていくのですが、ガツン!とインパクトのある感じではなく、ふんわりと広がっていく感じ。そこに軽くエッジの効いた醤油が乗っかって、キリッとした印象をスープに与えています。甘味はほぼ感じられません。正直、もっとこってりしたスープなのかと思っていましたが、意外と都会的でスタイリッシュな印象を受けました。
これに対する麺は、家系ラーメンではお馴染みの酒井製麺製の平打ち中太麺。これはもう鉄板ですね。ツルツルでもっちもち。噛めば小麦の香りがふわりと広がって、スープに負けない存在感を発揮します。麺1本1本が短めなので食べやすく、喉越しも良好。あと、並盛りにも関わらず割とボリュームがあるので、胃袋的にもかなりの満足感を得られます。
さて、トッピングのメイン・チャーシューですが、こちらも今まで食べてきた家系ラーメンと比較して燻製臭は穏やかで、薄切りなのもありスルリと口に納めやすくなっています。でも、豚の旨味はしっかりしてますよ。上質なハムのようにギュッと詰まっています。こんなチャーシューを創業時の1974年から作っていたとしたら、きっとものすごい前衛的な感じに受け取られていたんだろうなぁ…
こんな感じの家系総本山 吉村家のデフォルトラーメン、当初の予想に反してかなり洗練された味というか…インパクト勝負ではなく高レベルで各要素がしっかりまとまった味になっていました。その意味では、正直驚きましたね。テレビで見る吉村会長のべらんめぇ口調から、もっとアクの強いラーメンを作っているのかと思ってましたから…
でも、これがいわば家系ラーメンの真髄、というか座標軸。ここを基準にすれば、他店の家系ラーメンがそれぞれどのように独自アレンジを加えてバリエーションを出しているのかがよくわかります。そう考えてみると、家系ラーメンの文化というか、これほどまでに今の世の中に広がっていった歴史や背景というか、そうしたものに畏れ多いものを感じますね。間違いなく日本のラーメン史の一部を担うレジェンド的なお店、ラーメン好きなら訪れて後悔する人はまずいないと思いますよ。
家系総本山 吉村家のラーメントッピングメニュー(値段は税込)
- のり 60円
- 味玉 50円
- 野菜畑 100円
- 辛みそネギ 150円
- キャベツ 100円
- 玉ねぎ 100円
- 生ほうれん草 250円
全国に直系店舗が8店舗…家系総本山 吉村家へのアクセスは、最寄り駅のJR横浜駅から徒歩7分
そんな家系総本山 吉村家には、全国に…
- 杉田家(横浜市磯子区)
- 厚木家(厚木市)
- はじめ家(富山県魚津市)
- 高松家(香川県高松市)
- 上越家(新潟県上越市)
- 末廣家(横浜市神奈川区)
- 内田家(福岡市博多区)
- 環2家(横浜市港南区)
と8つの直系店舗が営業しています(注:令和5年9月現在、Wikipedia調べ)。これらの店舗はすべて吉村会長直々に味を認められたお店なので、これらのお店で家系ラーメンを食べたなら「本物の家系ラーメンを食べた」と考えて大丈夫。家系ファンのあなた、近くに立ち寄ったら、これらの直系店舗の味もぜひ試してみてください。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
相模鉄道本線・平沼橋駅からでも徒歩8分で行けます。
P.S. 家系総本山 吉村家監修の豚骨醤油ラーメン(アイランド食品産)は、Amazonや楽天を使って通販でお取り寄せもできます…
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