大阪梅田随一の食い倒れ飲食店街・新梅田食道街で50年以上営業を続けている焼鳥専門店・とり平総本店(とりへいそうほんてん)。創業はもっと古く戦後の昭和26年と、すでに70年以上の歴史を持つ老舗。現在は3代目が調理場に立ち、創業より継ぎ足し使い続けている家伝のタレにネタをくぐらせているのだとか。
そんな大阪の焼鳥界のレジェンドとも言えるこのお店ではどんな焼き鳥が食べられるのか?とある週末の夕方にそれを検証すべく、新梅田食道街へ行ってきました。午後6時前で席はほぼ満席状態でしたが、辛うじて1席空いていてラッキーでした…
鶏ではなく合鴨にこだわって70年超…とり平総本店はこんなお店
とり平総本店は新梅田食道街1階の一番奥、JR大阪駅側から入って最後の路地を左折してまっすぐ歩いた突き当たりのあたりにお店を構えます。店頭に赤提灯が掲げられたお店の中は人情ドラマの撮影に使われそうなザ・昭和レトロな雰囲気で、調理場を囲うようにカウンター席が全部で15脚あります。調理場も客席もスペースが非常に狭く、隣のお客さんと普通に肘が当たります。お客さんの後ろを通り過ぎるのも一苦労なので、大きな荷物を持っての訪店は厳禁です。
そんな昭和風情のレトロ空間(本物!)も今時貴重ですが、このお店では創業当時から焼き鳥に鶏肉ではなく合鴨肉を使っているらしいです(注:全メニューが合鴨というわけではありません)。今でこそ高級銘柄や地鶏を使う焼き鳥屋さんも珍しくないですが、70年以上前から材料にこだわるって、創業者のこだわりがすごくないですか?そのこだわりが70年以上経った今でも通用してますしね。というか、合鴨って創業当時はめっちゃ高級食材だったんじゃないかと思うのですが、戦後の貧しい時代に高級焼鳥が庶民に受け入れられたということにびっくり…
ネオ・ドンドン、ネオ・ポンポン、ネオ・ビンビン…とり平総本店のメニューは個性的すぎてよくわからないので、とりあえずおまかせを頼んでみた
さてさて、今回は注文した焼き鳥の前に、とり平総本店のメニューからご紹介していきましょう。僕の訪店当時のメニューはこちら…
ネオ・ドンドン、ネオ・ポンポン、ネオ・ビンビン…いきなり個性的すぎる名前が並んでいます。これらのメニューって、一体何なんでしょうね?このネーミング、ちょっとシモ系のイメージしか思い浮かばないんですが…まあ、個人的にはこういうの嫌いじゃないんですけどね。「さて、どれから…」と少し考えていたところ、店主から「おまかせもできますよ!」と声が掛かったので、今回はおまかせコース(お値段 税別3190円〜)で流れに身を任せることにしました。
お通し
まず目の前に登場したのが、お通しとしてのとり2本とかわ1本。子供でも一口でパクりといけちゃいそうな、かわいい串焼きが3本出てきました。肉質が柔らかくていいですね。一方のタレは甘口なんですが、甘すぎずスッキリした感じになっています。
ネオ・ドンドンと雌肝
続いて登場したのが、ネオ・ドンドンと雌肝。ネオ・ドンドンは、いわゆるハツ(心臓)ですね。ネオ・ドンドンも雌肝も強火で短時間で焼き上げられているので、ふわっと柔らかいです。もちろん内蔵系の臭みは一切なし。苦手な人も一度試してみたら意識が変わるかも?
ミンチ3種盛り
ミンチ3種盛りは左からプチトマト、レンコン、つくねと並んで出てきました。味付けが塩なので、肉汁の旨味がダイレクトに味わえます。蓮根のホクホク感やプチトマトの酸味と合わせるのもいいですね。
ネオ・ゴールドダイヤ
続いて出てきたのがネオ・ゴールドダイヤ。たまごが2種類あるのですが、右がうずらの卵で左がたまひも(鳥のお腹に入っている生まれる前の卵)らしいです。たまひもの方をかじると、断面から半熟の黄身がとろ〜っと…卵が嫌いでなかったら、このネオ・ゴールドダイヤはとり平では必食ですな。
椎茸鴨巻きと鴨のロース
こちらは椎茸鴨巻きと鴨のロース。味付けが塩なので、鴨肉の肉汁の旨味をダイレクトに楽しめます。鴨肉独特の血生臭さは一切なし。鴨肉苦手な人でも安心して食べられるんじゃないでしょうか。
ずり、かわ、軟骨
ここでずり、かわ、軟骨の脇役系?3種類が登場。今まで出てこなかったコリコリ系と脂ドバドバ系の焼き鳥を楽しんでおいて…
ぼんじりと鴨のミンチ
おまかせコース最後の品はぼんじりと鴨のミンチ。ぼんじりは今まで食べてきたぼんじりの中で一番脂があっさりしてましたね。一方の鴨のミンチは、先ほど食べたつくねと比べて段違いに旨味が濃厚。合鴨肉の焼き鳥、すごいなぁ…
以上、お通し含めて全部で17串食べてお会計。これにウーロン茶を1杯つけて、気になるお値段は税込で4300円くらいでした。味は確かに良いんですが、どれも1串のボリュームが小さめなので、胃袋的には物足りなさがありますね。昭和レトロで大衆的なイメージがありますが、意外と値が張るということは事前に知っておく方が良いかもしれません。
同じ新梅田食道街内で系列店のとり平 中店・北店、大阪一 とり平本店も営業中…とり平総本店へのアクセスは、最寄り駅の阪急電鉄・大阪梅田駅から徒歩1分
さて、とり平総本店のある新梅田食道街内には、系列店であるとり平 中店、とり平 北店、大阪一 とり平本店の3店舗が同じく営業しています。どのお店でも同じ焼き鳥メニューが楽しめるので、空席を見つけたらすかさず入店するのがいいですね。特に総本店の斜め向かいにあるとり平 中店は、総本店とは少し違ってキレイな感じになっていました。総本店のきたなシュラン系な感じが苦手なら、中店の利用をおすすめします。
それでは、お店の詳細です…
JR大阪駅からだと徒歩3分で行けます。
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