博多の冬真っ最中「鍋を食べたいな…」という気分になった時に、もつ鍋のお店ばかり思い出される中でふと「水炊き」という選択肢が頭に浮かびました。博多の水炊きの歴史は諸説ある中で、明治38年に「水月」というお店の初代・林田平三郎さんが考案したのが発祥という説が有力らしく、終戦後に始まったとされるもつ鍋よりもずっと歴史が長い食べ物。福岡グルメを語る上で、水炊きの存在を無視するわけにはいきません。
早速ネットで検索して、泊まっていたホテルから一番近くにあった博多水炊きとり田 博多本店というお店に予約なしの飛び込みで行くことにしました。幸い空席があって入店は叶ったのですが、実はちょっと想定外だったことがありまして…
実際に行ってみたら高級店の雰囲気でちょっとヒヨる…博多水炊きとり田 博多本店はこんなお店
僕が博多水炊きとり田 博多本店を訪れたのは、とある週末の午後1:30頃。Googleマップを頼りにお店に向かったのですが、お店があるはずの通りを歩いていても気づかずに素通りしかかりました。
なぜすぐに気づかなかったかというと、お店の外観がかなり高級な感じで存在感を落としていたからです。僕はお店に着くまでこのお店を大衆的なお店と勘違いしていて、「デカデカと看板が出ているんだろうな…」という前提で探してたんですが、実際は店舗は門の奥に隠れていて、想定外に高級感のあるエントランスでした。門のところに立ててあるメニューを見て「ヤバい、予算オーバーだ…」と思いました。後で他の水炊きのお店も調べましたが、博多の水炊きってもつ鍋よりもずっと高級な食べ物なんですね。「鶏だからそんなに高くないだろう」とタカをくくっていて、完全に油断してました。
マンションのような建物の1階と2階を店舗として利用していて、食べログによると客席数は全部で130席あるようです。店内の内装もシンプルながら高級感を醸し出していて、少なくとも僕が利用していた間は小さな子連れのお客さんはゼロで、どちらかというと年配の方々がゆったりとランチ利用されていた感じでした。まあ、個室席もあるので、子連れでも大丈夫だとは思いますが。その一方で、フロアの店員さんは普通の若者中心ですし、雰囲気は高級ながら気構えることなく普通に食事できるので、その点はご安心を…
水炊き単品も注文できます!博多水炊きとり田 博多本店で本場の水炊き初体験…で、実際どうだった?
博多水炊きとり田 博多本店のメニューはランチ・ディナー共通でコースが主体なのですが、コースの値段を見てヒヨってしまった僕は単品で水炊きを注文しました(とり田の水炊き、お値段 4350円+税)。
注文を終えて数分後、最初にお通しが運ばれてきました。「とり田たまご」と名付けられた半熟卵を甘口の肉味噌と一緒にいただきます。また、このゆで卵の下には…
あまおうと春菊の白和えが隠れていて、ちょっと得した気分になれましたね…
続いて、沸騰した鍋から店員さんがスープを取り分けてくれました。九州産の丸鶏を6時間かけて煮込み、塩だけで味付けをしたスープはまさに純度100%の鶏の味で、鶏の出汁がじんわりと身体に染みていく感じがしました。このスープの味付け用に後塩と柚子胡椒、自家製七味の3種類の調味料があるのですが、個人的には自家製七味と合わせた時の味が一番好きですね。
スープをじっくり堪能した頃に、店員さんが小皿に鶏肉を取り分けてくれます。この鶏肉は熊本県産の若鶏で、むね肉、もも肉、骨付き肉の3種類が1つずつ鍋に入っています。どれも身がプリップリで美味なのは言わずもがな。特に骨付きの部分は旨味が濃厚でサイコーですな。そのまま味わってもいいですが、テーブルに置いてある自家製ポン酢で味付けして食べるのもおすすめ。ただ、ポン酢の色が薄いながら味はしっかりついているので、くれぐれもかけ過ぎにはご注意を…
鶏肉3切れを食べ終えたら、次は野菜の出番。野菜と葛切り、そして鶏肉のつみれを店員さんが鍋に入れてくれます。ここまでは店員さんが調理してくれるのですが、ここから先は自分で鍋を調理します。お好みの野菜の煮え加減で火を止めて、鶏出汁の染み込んだ野菜の味を思う存分堪能します(注:野菜は無料でおかわり可能です)。なお、とり田のつみれには歯応えを出すために砂肝が入っているんだそうな。軟骨の時とは違った砂肝独特な風味がこのつみれで一緒に楽しめます。
以上で「とり田の水炊き」単品は終了なのですが、別料金を支払えば〆の一品を追加することが可能です。お財布的にはかなりの痛手ではありましたが、ついつい誘惑に勝てずにこの日の僕はトリュフリゾットを追加注文(お値段 1600円+税)。これを合わせて一番安いコースと同じくらいの値段になるので、後で後悔しそうになった時はそう言い訳して納得することにしましょうか…
鍋に残った濃厚な鶏出汁をご飯粒に全部吸わせて、トリュフオイルをかけた上からチーズをたっぷり。最後に店員さんが目の前で黒トリュフをスライスしてくれます。これを見て、このリゾットが「まずい」なんてことがあり得ないことはもうお分かりですよね?口に入れる前からトリュフの芳醇な香りがプンプンして、口の中でもトリュフの香りプラスチーズのコク、鶏の出汁感がドバッと放出されるわけです。これなら追加で1600円(税別)払っても全然惜しくないですね。というか、トリュフのリゾットが1600円で食べられるって、何気にすごくないですか?
こんな感じで、当初の想定よりかなりお金を使ってしまいましたが、博多水炊きとり田 博多本店の水炊きには十分満足できました。やっぱりどちらかというと高級志向な感じがしましたが、水炊き単品+トリュフリゾットで十分身体も心も暖まりました。まあ、「願わくば鶏肉をもうちょっと食べたかったな…」という心残りはありますけどね…鍋を囲んでワイワイではなく、大切な人との食事や接待のようなシチュエーションでは重宝すると思います。
博多水炊きとり田 博多本店の水炊きコース(値段は税別)
- 天神 6000円(前菜2種、博多名物ごまさば、手羽中の旨煮、博多水炊き、〆雑炊、デザート)
- 博多 7000円(天神コースに前菜3種、雲丹と生湯葉、大分名物とり天が追加、デザート2種類から選択)
- 中洲 9000円(博多コースに馬刺しが追加、デザート4種類から選択)
系列店なら水炊きがさらにお得…博多水炊きとり田 博多本店へのアクセスは、最寄り駅の福岡市地下鉄空港線・中洲川端駅から徒歩3分
そんな博多水炊きとり田は、水炊き専門店の他に担々麺や鶏そばの専門店やシーフード居酒屋など、複数の業種で店舗展開をしています。その中でも、JR博多駅近くにある「博多シーフードうお田」というお店では、同じ「とり田の水炊き」が本店よりリーズナブルに食べられるようです。そうですよね…これくらいのお値段で食べられるなら、もっと気軽に食べにいくことができますよね。普通に水炊きを楽しみたいなら、うお田で他の居酒屋メニューと一緒に注文する方がいいかもしれません。
それでは、お店の詳細です…
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