下鴨神社から北に歩いて10分ほど、閑静な住宅街の中に格式を感じさせる重厚な門構えをした甘味処・茶寮宝泉(さりょう ほうせん)があります。京都を代表する高級和菓子処・宝泉堂(ほうせんどう)の直営店で、数寄屋造りのお座敷で日本庭園を眺めながら和菓子をいただけるということで、特に週末には大混雑必至の人気を誇ります。
今回は、その茶寮 宝泉の一番人気メニュー・わらび餅をターゲットに、とある平日の12時頃にお店を訪問。お店に到着した瞬間、内心「これはマズイな…」と焦りましたね。というのは…
甘味処というより、もはや高級料亭…茶寮 宝泉はこんなお店
茶寮 宝泉が僕の想像を超えて高級な雰囲気を漂わせるお店だったからです。この日普段着でやってきた僕は「こんな汚らしい格好でここに入っていいのか?」と気後れしてしまいました。結論としては普通に入店できたのですが、これからお店に訪れるときは、正装とは言わないまでも、それなりに身なりを整えて行く方がいいのではないでしょうか。夏場にTシャツと短パンはさすがにちょっと…と思いますね。
この日の僕は行列に並ぶことなくすんなり入店できたのですが、お店の土間のところで5分ほどの待ち時間が発生しました。この待ち時間の間にお店側は席を準備してくれていて、一方でお客さんはこの時間の間に注文するメニューを決めておく…というシステムになっています。
席の準備ができたら注文を済ませ、靴を脱いで店内へ。案内された席には温かいお茶とお茶請けが置かれていて…
これらを口にしながらわらび餅の到着まで待機します。
それにしても、お店の雰囲気がものすごいです。甘味処というより、もはや高級料亭の雰囲気です。食べログによると茶寮 宝泉の総席数は20席あるのですが、そのどの席からも見事に整備された美しい日本庭園を眺めることができます。これで個室だったら完璧に高級料亭。通りから離れているのでとっても静かだし、「和」を全身で感じるには絶好の場所。自分が楽しむのももちろんですが、外国人の友達を連れてきたら絶対に喜ばれると思います。
わらび餅:茶寮 宝泉に来たら必食のスイーツ、実際試してみて…
さて、今回ご紹介する茶寮 宝泉の名物・わらび餅は、本わらび粉(でんぷんなどが添加されていない100%わらび粉)と水、少量の砂糖だけで作られた「これぞ本物」の一品。もちろん作り置きではなく、注文されてから1つ1つ手作りで作られます。
注文してから10分ちょっと、目の前に運ばれてきたわらび餅は…
こんな感じ。画像を見るだけで艶々プルプルなのが伝わってきませんか?市販されているわらび餅とは全くの別物なのは明らか。まだ口に入れずとも、このわらび餅のヤバさがひしひしと伝わってくるような気がします。
では、実食といきましょう。お店がおすすめする食べ方に従って…
まずはそのまま食べようと箸でつまんでみると…おおっ!伸びる伸びる…まさにスライムですよ、これ。本わらび粉と砂糖、水だけでこんな感じのものが作れるんですね。驚きです。
で、こいつを口に入れると舌の上でひんやりと冷たく、時間と共に舌の上に広がってねっとりと絡みついてきます。その表面に味はないのですが、舌でそのスライムを突き破ると、中から上品な甘さがふわ〜っと…口コミで「絶品わらび餅」と称賛されるのがよくわかります。本当に「これを食べずしてわらび餅を語るなかれ!」です。
次は付属の黒蜜をかけて…こうするとわらび餅の表面にも甘みがついて、黒蜜の香りも一緒に楽しめるのですが、わらび餅そのものの甘さは黒蜜にも全然負けてません。僕は黒蜜バージョンも認めつつ、どちらかというとそのまま食べる方が好きですね。1つだけそのままで食べて、残りの4つに黒蜜をかけてしまったことをちょびっとだけ後悔しました。
あえて(本当にあえて)1つだけマイナス点を挙げるならば、時間と共に徐々に弾力がなくなっていって、本来の旨味を発揮できなくなることかなぁ…とは言っても、そんなに大急ぎで食べなきゃいけないものではなかったですけどね。少なくとも賞味期限10分くらいはありそうです。同伴の家族・友人たちとダラダラ喋りながら食べたりしなければ、最後までその美味しさを十分楽しめると思います。
というわけで、茶寮宝泉のわらび餅には僕も大満足です。このわらび餅、お土産で持ち帰りはできませんし、宝泉堂の全店舗の中でも食べられるのはここだけです。京都駅からはちょっと遠いですが、わらび餅が嫌いでなかったら一度は試してみてもらいたいですね。お店の雰囲気も最高ですし、このお店に来て満足しない人はまずいないと思いますよ。
訪店当日の茶寮 宝泉のメニュー(値段は税込)
- 季節の上生菓子 抹茶セット 1200円(冷抹茶セット 1400円)
- 雪餅(売り切れ) 抹茶セット 1250円(冷抹茶セット 1450円)
- わらび餅 1400円
- 大納言小豆ぜんざい 1250円
- 白小豆ぜんざい 1250円
- 抹茶くず湯 1000円
お土産用の和菓子も売ってます…茶寮 宝泉へのアクセスは、最寄り駅の京都市営地下鉄烏丸線・北大路駅から京都市営バス206番系統京都駅行きに乗り換え下鴨東本町バス停下車徒歩5分
そんな茶寮 宝泉では、カフェメニューの提供の他にお土産用和菓子の販売もしています。宝泉堂の代表和菓子である「しぼり豆 丹波黒大寿」をはじめ、黒豆や小豆を使った各種商品や和菓子の詰め合わせなど…京都駅新幹線構内でも買えますが、絶品わらび餅を食べた流れでお土産を買い揃えてしまってもいいのではないでしょうか。すぐ近くに宝泉堂 本店もあるので、京都駅で買うより選択肢が増えると思いますし…
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
茶寮 宝泉 (甘味処 / 松ケ崎駅、茶山・京都芸術大学駅)
昼総合点★★★★★ 5.0
住所:〒606-0861 京都府京都市左京区下鴨西高木町25
電話番号:075-712-1270(予約不可)
営業時間:10:00-16:30
定休日:水曜日、木曜日、年末年始など
駐車場:あり
クレジットカード払い:可(電子マネーや交通系ICにも対応)
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