【元祖煮ぼうとうの國良】で深谷名物・煮ぼうとうを食べてきた

山梨には「ほうとう」という有名な郷土料理がありますが、埼玉県深谷市にもほうとうに似た「煮ぼうとう」という郷土料理があるというのを、何年も前にやっていたテレビ番組で初めて知りました。そのテレビ番組曰く、山梨のほうとうは味噌味なのに対して、深谷の煮ぼうとうは醤油味なんだそうな。加えて、この煮ぼうとうが甲斐の名将・武田信玄との関連があるとかないとか…そんな話を聞いて「機会があれば一度…」と思ったんですが、普段関西に住んでいると深谷に行く機会など生まれるはずがなく、煮ぼうとうの存在は脳みそのどこか深いところに押しやられてしまっていました。

時は流れて令和7年、野暮用で群馬に行く機会があって朝からJR高崎線に乗っていたんですが、JR深谷駅を通り過ぎたあたりで急に煮ぼうとうのことを思い出したんですよね。で、用事を終えて帰りの時間を想像すると、ちょうどランチタイムの間に深谷に立ち寄れる計算に…「これは今日行くしかないでしょ！」と思い立って、帰りにJR深谷駅で途中下車して煮ぼうとうを食べに行くことにしました。食べに行くのは、やっぱりテレビでやっていたあのお店…

田舎の古民家でゆったり気分で過ごせます…元祖煮ぼうとうの國良はこんなお店

この日に僕が煮ぼうとうを食べに訪れたのは、当時のテレビ番組で取材されていた元祖煮ぼうとうの國良というお店。「元祖」と名乗っているように深谷では最も古くからやっている煮ぼうとうの専門店らしいです。食べログだとオープン日が2023年1月6日となっていますが、これは6年ほどの長い休業期間を経てリニューアルオープンした日付。お店は現在の店主の父上が始めたもので、創業は昭和61年と、休業期間を含めれば40年近い歴史を有するお店です。

さてこのお店、リニューアルオープンしてからまだ2年と日は浅いのですが、建物自体は田舎の古民家そのもので、僕より年上の世代の人にとっては懐かしさが感じられそうな雰囲気があります。ざっと数えたところ、店内の客席数はカウンター席6脚とテーブル席で合計18席。どことなく郷愁をそそる耳慣れないBGMが店内を流れていて、すごくゆったりした気分で過ごせます。まあ、注文してから料理が出てくるまでもゆったりしているんですけどね。注文した料理が出てくるまでは、無料の柿ピーとお茶を口にしながら気長に待つことにしましょうか…

何で知名度低いのか不思議…元祖煮ぼうとうの國良で食べる深谷の郷土料理・煮ぼうとう、実際試してみてどうだった？

それでは、この日の僕が元祖煮ぼうとうの國良で注文した、深谷の郷土料理・煮ぼうとうをご紹介しましょう。注文してから待つこと約30分、目の前に運ばれてきた煮ぼうとうはこんな感じ…

小麦粉で白く濁ったお出汁にごぼうやにんじん、キャベツ、しめじなどたくさんの具材が入っています。これだけ多くの具材が入って、気になるお値段は1人前税込1000円。これをお得と言わずして、何と言えば良いのでしょうか？って感じです。

それでは早速、中身を器によそってお出汁からいってみましょうか…軽くとろみがついた薄味醤油ベースのお出汁で、塩分控えめかつ野菜からの出汁がしっかり出ていて優しい味。ただ、ちょびっとだけオイリーなところもあります。野菜を煮る前に炒めた時の油でしょうか。でも、それがすごく気になるというわけではなく、その油も含めて全体が調和して優しい味を作っている…という感じです。

で、これに対する麺はめっちゃ極太！おそらく、山梨のほうとう専門店・ほうとう不動で食べたほうとうの倍以上の太さはあるんじゃないでしょうか。これだけ極太で、かつ厚みもあるので、ワシワシ感が半端ないです。麺のボリュームも十分にあるので、普通の成人男性ならこれで十分満腹感が得られるはずです。

さて、ここでご紹介するのはこの刻みネギ。これ、地元で採れた深谷ねぎでしょうか？なんか、めっちゃ香りが強かったです。一般的に夏ねぎは冬ねぎと比べて香りが落ちると言われてますが、このねぎは香り十分。少ししかなかったんですが、それでも味変アイテムとして十分に機能してくれました。

こんな感じで、元祖煮ぼうとうの國良で深谷名物・煮ぼうとうを満喫してお店を退店。醤油ベースの優しいお出汁で食べるほうとうも、味噌味と比べて甲乙つけ難い味わいでした。それなのに、何で醤油味の煮ぼうとうはこんなに知名度低いんだろう？少なくとも山梨のほうとうと同じくらいに、郷土料理の1つとしてもっと有名になっていいのになぁ…と心底思います。

元祖煮ぼうとうの國良のその他のメニュー例（値段は税込）

• チーズカレー煮ぼうとう　1250円
• 力・煮ぼうとう　1150円
• カレー煮ぼうとう　1100円
• 角煮丼定食　1000円
• 南蛮定食　850円
• からあげ定食　800円
• かきあげ丼　800円

唯一の難点は駅から遠いこと…元祖煮ぼうとうの國良へのアクセスは、JR高崎線・深谷駅からタクシーに乗り換え約15分

こんな感じの元祖煮ぼうとうの國良ですが、唯一の難点が駅から遠いこと。最寄り駅から4kmほど離れていて、バスなどの公共交通機関が通っていないので、気合を入れて往復歩いて行くか、タクシーに乗って行くしかありません。で、タクシーだと片道2000円くらいかかってしまうので（注：令和7年9月現在、送迎代別）、煮ぼうとうを食べに行くために最低でも5000円はかかってしまう計算になります。そのタクシー代はすごく惜しいんですけど、やっぱりこの煮ぼうとう、地元の人だけのものにしておくのはすごくもったいない料理だと思います。

それでは、お店の詳細です…