博多でグルメと言えば豚骨ラーメンが有名ですが、博多うどんも忘れてはならないご当地グルメの1つ。「柔らかくてコシがない」のを特徴としていて、今全国的に流行している讃岐うどんとは正反対と言ってもいいくらいのうどん。そのためかネットの口コミでは「魅力がちゃんと伝わっていない」という指摘もあり、もしかしたら福岡県民はうどんの話が出るたびにもどかしい思いをしているのかもしれません。
そんな福岡県民の想いとはちょっと違いますが、僕も讃岐うどん「だけ」が流行っている今の風潮は好きじゃないんですよね(注:決して讃岐うどんを敵視しているわけではありません)。なので、機会があれば日本全国にある美味しいうどんをこのブログでもどんどん紹介したいと思いますし、特に讃岐うどんと対照的な特徴を持つ博多うどんには前からずっと興味を持っていたんです。
というわけで、今回は数ある博多うどんの人気店の中から、JR博多駅隣の博多バスターミナル内にある釜揚げ 牧のうどんをご紹介。ここのうどんは「食べているのに全然麺が減らない」という不思議な現象が起こることで有名なんですよ…
うどんチェーン店でここまでの行列は今まで見たことない…釜揚げ 牧のうどん 博多バスターミナル店はこんなお店
僕が釜揚げ 牧のうどん 博多バスターミナル店に到着したのは、とある土曜日の開店時間直前だったのですが…
この時点で15人くらいが行列を作っていたんですよね。僕もその後ろについて並び始めたんですが、そこから開店までの5分間でさらにゾロゾロと人が集まり始めて、開店時で30人を超えるくらいの行列になってしまいました。これには驚きましたね。パッと見、ごくごく普通のうどん屋さんなんですよ。いくらJR博多駅からのアクセスが抜群だからといって、他にも博多うどんの店も含めてたくさん飲食店はあるし、前日の朝に行った駅構内にあるうちのたまご直売所には行列ゼロでしたからね…正直、うどんチェーン店でここまで長い行列を作るお店は今まで経験がありません。
とは言え、これくらいの行列をもろともしないくらいの収容力を持つこのお店、客席スペースにはざっと数えてカウンター席が38脚、テーブル席が8卓(2人がけ×6、4人がけ×2)あって、60人くらいは一度に座れます。立ち食いそば屋さんのようなスピード感がありながら、椅子に座ってうどんをすすることができるのが良いですね。食べ終えたらすぐに電車や長距離バスに乗れるし、非常に利便性が高いお店であることは間違いありません。
肉うどん:釜揚げ 牧のうどんの2大人気メニュの一角で「食べても減らないうどん」を
今回僕が釜揚げ 牧のうどん 博多バスターミナル店で注文したのは、お店の2大人気メニューの一角・肉うどん(お値段 税込660円)。店員さんに食券を渡すときに麺の茹で加減を聞かれましたが、今回は初めての訪店でもあり「普通」で注文しています。
食券を渡してから待ち時間約5分、目の前に運ばれてきた肉うどんはこんな感じ…
うどんと一緒に小さなやかんがついてきたのですが、実はこれがここのうどんのポイントになるんです。それについては後でご説明するとして、初見ではお出汁が少なく感じるほとうどんの量があるように見えますね。
では、早速その麺からいただいてみましょう…太さは一般的な讃岐うどんくらいあるでしょうか。博多のうどんってコシがないふにゃふにゃの柔麺って先入観があったのですが、このうどんはそんな感じではなく、コシがあるとまでは言えないまでも、それなりの歯応えを感じます。
これに対するお出汁は、すき焼きの割下のようなかなり甘めの味付けになっています(もちろん、普通に飲める濃度ではありますが)。一口目を飲んで「これってトッピングの肉に合わせてる?」って思ったのですが、どうやらこれがデフォルトのお出汁のようですね。温度が比較的低めなのもあって、その甘さが少し強く感じやすかったかもしれません。もし甘すぎると感じるようなら…
テーブルに備え付けの唐辛子でさっさと味変してしまうのがいいでしょうね。
トッピングの牛肉は、まあ至って普通なのですが、駅のホームにある立ち食いうどん店なんかと比較するとしっかり量を入れてくれている気がします。これだけの量を入れてくれるのであれば、660円というお値段も十分に納得できますね。
さて、それではこのやかんについて説明しましょうか。実はこのやかんには、うどんのお出汁が入っています。途中でお出汁を足すために置いてあるのですが、なぜ出汁を足す必要があるのかというと、時間が経つとうどんがお出汁をどんどん吸っていくから。うどんがお出汁を吸って膨張していく結果、「食べても減らないうどん」現象が起きるわけです。でもね…
このお出汁を吸ったうどんが美味いんですよ。誇張なしで、ふわっふわのマシュマロ状態。うどんが伸びたのとは違うんです。うどんが伸びた時のクタッという感じが全然ないのに、ふわふわもちもちでとっても優しい噛み心地の麺になるんです。この柔らかさは「白玉」と表現される大阪のミシュラン掲載店・讃岐うどん白庵のうどんの上を行くかもしれません。これには本当に驚きました。
これならもう最初っからそんなふわふわ状態のうどんにしてもいいかもしれませんね。次に訪店する機会があれば、その時はまずやかんの中のお出汁を全投入して、5分くらい待ってから食べてみようかなぁ…まあ、そのふわふわもちもち状態を自分の思い通りにコントロールするのは難しそうですけどね。実際、今回もお出汁の下に眠っていた麺と外に顔を出していた麺とではふわふわ具合が違って、まばらな感じの食感になってましたし(まあ、その状態で楽しむのもありでしょうけどね)。
釜揚げ 牧のうどん 博多バスターミナル店のその他のメニュー例(値段は税込)
- カレー(うどん・そば) 680円
- ざるそば 580円
- 釜揚げ(うどん) 530円
- ごぼう天(うどん・そば) 520円
- きつね(うどん・そば) 520円
- たまご(うどん・そば) 510円
- かけ(うどん・そば) 420円
注:牧のうどん 博多バスターミナル店では、イートインメニューとは別にテイクアウトメニューも用意されています…
加布里にある本店を中心に全部で18店舗…牧のうどん 博多バスターミナル店へのアクセスは、最寄り駅のJR博多駅から徒歩
こんな感じの牧のうどんは、今回ご紹介した博多バスターミナル店の他にも福岡南西部を中心に全18店舗で営業中。ただ、牧のうどんは今のところ糸島にある加布里本店から1時間半以内で移動できる場所にしか出店していないそうです。その理由は「本店からスープを運ぶ間に質が落ちるから」。チェーン店と言って侮るなかれ。全店舗で同じ味を楽しめるように、味を高品質に保つための準備に抜かりはありません。
東京や大阪では決して食べられない博多うどんの人気店、特にうどん好きのあなたなら利用しない手はないですよね?JR博多駅からすぐ近くにありますし、博多の地に降り立ったら真っ先にお店に向かってみてはいかがでしょうか?
それでは、お店の詳細です…
牧のうどん 博多バスターミナル店 (うどん / 博多駅、祇園駅、櫛田神社前駅)
昼総合点★★★★★ 5.0
住所:〒812-0012 福岡県福岡市博多区博多駅中央街2−1 B1F
電話番号:092-483-1130
営業時間:10:00-23:00
定休日:不定休(博多バスターミナルに準ずる)
駐車場:なし
クレジットカード払い:不可(食券制)
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