広島のご当地グルメの1つに「汁なし担々麺」というものがありますが、この汁なし担々麺が広島に登場したのは2002年とそれほど昔の話ではありません。というか、そもそも汁なし担々麺は中国の四川省では普通に食べられているものらしく、それを市内で営業していた1軒のラーメン屋が取り入れて売り出したのが広島B級グルメの汁なし担々麺。決して広島オリジナルのグルメではないんです。
そうは言っても、B級グルメ好きなら広島ではお好み焼きと並んで一度は食べておくべき汁なし担々麺、調べてみると広島の繁華街からちょっと離れたところにある汁なし担担麺きさくというお店が発祥らしいです。「ならば行ってみるか!」ということで、先日広島へ用事で行った時に広島駅から直行でお店に行ってきたのですが…
今まで訪店したお店の中でもかなりレベルの高いきたなシュラン系…汁なし担担麺きさくはこんなお店
とある金曜日の11:30頃、実際に汁なし担担麺きさくの前に立ってみると、予想に反してかなりおとなしめの雰囲気がありました。広島が誇るべきローカルグルメの発祥店ですから、正午前から長蛇の行列ができてガヤガヤ…という光景を想像していたんですが、「もしかして今日は臨時休業?」とドキッとするくらいシーンとしていたんですよね。まあ、ちょうど僕が到着したすぐ後くらいに中から食事後のお客さんが出てきたので、営業中であることはわかったのですが…
店内に入ってみると、これまたいい感じのきたなシュランで…店内が薄暗いのもあるんですが、僕が今まで食べ歩いてきたお店の中でもかなりレベルの高いお店だと思います。客席は厨房に沿ってL字型カウンターで15席。中の厨房は比較的広めで、店主らしき人とバイトさん?の2名でお店を切り盛りしていました。接客も少しぶっきらぼうなところがあるので、女性1人だと最初はかなり抵抗感を感じるかもしれません。
これが原型!広島が誇るB級グルメの発祥店・汁なし担担麺きさくで食べる汁なし担々麺、実際食べてみてどうだった?
それはさておき、まずは注文を済ませましょう。入り口左手に券売機が置いてあり、ここで食券を購入します…
この券売機にもあるように、汁なし担担麺きさくのメニューは大きく分けて…
- 汁なし担々麺
- 冷やし汁なし担々麺
- ピン担麺
の3種類。最後の「ピン担麺」が何なのか気になるところですが、「ピン」は中国語の「冷」のことで、麺が冷たい汁なし担々麺のことらしいです。ただ、ピン担麺は「麺は冷たいけれどタレは温かい」らしく、麺もタレも冷たい「冷やし汁なし担々麺」と区別しているとのこと。なんか、ややこしいですね…中身が一緒なら名前も「汁なし担々麺」一択にして、讃岐うどんのように温・冷・ひやあつで区別する方がわかりやすいと思うのは僕だけでしょうか?
今回僕が汁なし担担麺きさくで注文したのは、麺もタレも温かい汁なし担々麺の大盛(お値段 税込650円)。辛さを0→4分の1→2分の1→普通→辛め→大辛の6段階でカスタマイズできるのですが、今回は初めてなので辛さ普通で注文しています。
注文してから待つこと約10分、目の前に汁なし担々麺が着丼となりました。細麺の上にトッピングはひき肉と刻みネギの2種類とシンプル。汁ありの担々麺だとスープが真っ赤なので色彩的にも惹かれるものがあるのですが、この汁なし担々麺は寒色系の色が多くてビジュアル的には少し寂しい気がします。
それでは、この食べ方の案内にしたがって、30回以上十分にかき混ぜてタレを全体に馴染ませてから…なんですが、麺同士がくっついていて混ぜにくいですね。箸で麺をほぐしながら根気よく混ぜること数分間…
これが完成系。では、早速いただくことにしましょうか…見た目のおとなしさに反して、めちゃくちゃ刺激的な味ですね。ラー油の辛さに花椒の痺れ。特に痺れが強くって、口唇から舌にかけてジンジンするくらい痺れます。辛いものが苦手な人は、ホント注意が必要な食べ物です。でも、こう書くと辛いだけで味はイマイチなんじゃないの?と思われるかもですが、実際は醤油をベースに少し魚介の風味を感じるタレで味もしっかりまとまっています。
ビリビリと痺れを感じながらも、なぜか次の一口に箸が進んでしまうんですよね。口から鼻に漂ってくる花椒の香りも心地良いし、麺が細麺なので食べやすいのもあるでしょうか。額に汗をかきながらもあっという間にペロリ。食べ終わってしばらくすると「また食べたいな…」という気分になってくる不思議な食べ物でした。
ちなみにWikipediaによると、四川省で食べられている本場の担々麺は「汁なし」が原型なんだとか。僕たち日本人は担々麺と聞いたら「汁あり」を想像するのですが、これは日本人向けにアレンジされたものらしいです。へ〜、勉強になりました。Wikipediaに書いてあるように、このきさくの汁なし担々麺も軽食的に食べるのがいいかもです。ただ、あまりにもきたなシュラン系としてのレベルが高いので、「もう少し何とかならないの?」とは思いますが…
お店の雰囲気が苦手な人にはテイクアウトがおすすめ…汁なし担担麺きさくへのアクセスは、最寄り駅の広島電鉄・舟入幸町駅から徒歩1分
そんな汁なし担担麺きさくでは、テイクアウトにも対応しています。お値段はイートインの場合と同じで、券売機で食券を購入して注文します。基本的に僕はラーメンのテイクアウトには懐疑的なところがあるのですが(持ち帰りの間に麺が伸びそうなので)、汁なしなら麺が伸びる心配もなさそうですし、お店の雰囲気が苦手な人はテイクアウトで汁なし担々麺を試すのがいいですね。市の中心部からは少し移動が必要ですが、広島出張の時に間食としてホテルにお持ち帰りするのもおすすめです。
それでは、お店の詳細です…
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