令和5年11月現在、日本全国と海外に合計86店舗展開するとんこつラーメンの一大チェーン店・一蘭。その中心となる博多総本店は中洲川端にありますが、一蘭の発祥となった一号店はそこから30分ちょっと南に歩いた那の川という場所にあります。
1960年に創業した会員制ラーメン店とを母体として、1993年に日赤通り沿いの今の場所で一蘭の一号店としてオープン。以後「とんこつラーメンを世界一研究する会社」を謳ってひたすら本物のとんこつラーメンを追求し続け、今や天然とんこつラーメン専門店として日本中のラーメンファンに愛されるお店になったのは周知の事実です。
そんな歴史と伝統のある一蘭の一号店、当然僕に興味がないわけありません。新幹線で博多に到着して、真っ先にお店に向かいました。お店に到着したのは、とある平日の夜11時頃。夜遅い時間に加えてこの日は結構大雨が降っていたのですが、お店はさすがの繁盛ぶりでしたね…
接客が最小限なので初心者には利用しづらいかも…ラーメンの注文やカスタマイズ方法など、店内の作法を一蘭 那の川店の例で詳しく解説
今や全国的に大人気となった博多とんこつラーメンの一大勢力・一蘭ですが、他店にはない独自の運営方法が一蘭初心者にとってとっつきにくく、混乱しやすいという側面も持っています。その混乱を防ぐために、ここで一蘭の店内作法をわかりやすく解説していくので、これから初めて一蘭に行く人はぜひ参考にしてください…
まずは食券を購入する
一蘭は全店舗食券制をとっていて、入店して席に座る前に券売機で食べたいものの食券を購入する必要があります…
一蘭 那の川店のメニューはこんな感じで、基本的にとんこつラーメン一本で、追加トッピングや替玉の有無でカスタマイズしていく形になります。券売機の左手には「一蘭 発祥の店 那の川店」と書かれた看板があって、「全国にある一蘭の中でも特別なお店に来たんだなぁ」と実感させてくれます。
空席になっている「味集中カウンター」に座ってオーダー用紙を記入する
一蘭の店内は厨房と客席が完全に分離された構造をとっていて、基本的に客席側に店員さんがいて案内してくれるようなことはありません。自分で空いている席を見つけて無言で座ってしまって問題ないので、気兼ねすることなく好きな席に座ってしまいましょう。
ちなみに一蘭 那の川店の店内には、かの有名な「味集中カウンター」が全部で15脚。カウンターには上のようなオーダー用紙が置いてあり、味の濃さや麺の硬さなど希望のカスタマイズをここに記入します。記載が終わったら、カウンターにある呼び出しボタンを押せば、厨房内から店員さんが暖簾を上げてくれて、食券とオーダー用紙を受け取ってくれます。他にも何か困ったことがあれば…
味集中カウンターの左手にある札や注文用紙などを使って店員さんにリクエストできるので、遠慮なく呼び出しボタンを押して店員さんに聞いてみましょう。ちなみに、食券購入後の追加注文は現金での対応になるので、券売機に戻って食券を買い直す必要はありません。
ラーメンを食べ終えたら無言で退出可
一蘭は店員さん側からもお客さんの動向が見えないシステムになっているので、食事を終えてお店を出る時に一声かける方がいいのかな?と感じてしまうと思います。でも、食べ終えたらそのまま無言で退出して大丈夫。食べ終えた食器もそのままにしておけば、後でちゃんと店員さんが片付けてくれます。
こんな感じで、一蘭では店員さんの接客を受ける場面が限られているので、場合によっては「冷たい」印象を受けるかもしれません。でも、決して放置されるわけではなく、呼び出しボタンを使えば厨房内から丁寧に対応をしてくれるので、その点はどうかご安心を。
一蘭の公式YouTubeチャンネルでも、初めての人用に利用案内の動画が公開されているので、もしよろしければこちらもご覧ください…
一蘭の歴史はここから始まった…一号店・那の川店で食す一蘭の源流とんこつラーメンはどんな味?
さて、今回僕が一蘭 那の川店でオーダーしたのは、券売機の一番左上にボタンがあったラーメン+替玉(お値段 税込1190円)。食券とオーダー用紙を店員さんに渡した後、2分くらいでラーメンが着丼となりました…
追加トッピングなし、すべてのカスタマイズを「基本」にした、どノーマルのとんこつラーメンはこんな感じ。白濁したスープがめっちゃ美味そうですね。中心にチョンと乗った「赤い秘伝のたれ」もまたビジュアル的にいい感じで…
それでは、早速スープからいただいてみましょう…少しオイリーで、まったりとした口当たり。豚の旨みが非常に濃厚でありながら、気になる豚骨臭さは最小限…というか、むしろ香りのアクセントとしていい方向に働いているんじゃないでしょうか。豚骨臭に敏感な人だとやっぱりキツく感じてしまうかもしれませんが、このスープが多くの人に受け入れられてこその全国チェーン店化なわけですから、お店のサイトで「臭みのないとんこつスープの発祥」を謳うのはダテじゃないな…と思います。
一方、これに対する麺は、博多豚骨ラーメンではお馴染みの低加水系ストレート極細麺。「基本」の茹で加減の麺はもっちり食感で、スープをしっかり吸い上げて旨味を口の中に放出し、そのままスルスルッと喉元を通り過ぎていきます。麺を食べすすめていく過程で「赤い秘伝のたれ」が徐々にスープに溶けていき、緩やかにピリ辛へと味変していくのもいい感じ。極細麺で伸びやすいので、あまりゆっくりせずに勢いよくすすってしまうのがおすすめです。
ただ、トッピングのメイン・チャーシューは正直おまけっぽく感じました。食べていて柔らかく煮込まれているのはわかるんですが、1枚があまりにも小さくて薄いので、濃厚豚骨スープに存在感で押されてしまっています。これなら、むしろチャーシューを完全に追加トッピングに回してしまって、素ラーメンのようにしてしまってもいいかもしれません。
さて、麺を完食したら「替玉」の注文をしましょうか。一蘭で替え玉を注文する時は…
この小さな「替玉プレート」を呼び出しベルの上に置くだけでOK。店内にチャルメラのメロディーが流れて、カウンターの向こうにいる店員さんがすぐに対応してくれます。2杯目以降の替玉も味集中カウンターの中にある追加注文用紙でできるので、ガッツリ食べたい気分の時にもご安心を。
この替玉も茹で加減は普通にしてもらいました。注文してから、ほんの1〜2分で出てきます。こいつを丼に投入して…
残ったスープに馴染ませていただきます。博多豚骨ラーメンから全国のラーメン店に広がった、この「替玉」というシステム、やっぱりいいですよね。たった210円でもう一杯ラーメンが食べられるような気になれるし…
今回は夜遅くだったこともあり、替え玉は1回のみで退店することにしました。さすが一蘭!って感じです。博多豚骨ラーメンではお馴染みの紅しょうがや高菜がないのは残念に感じる人もいるかもですが、僕個人的にはスープがしっかりしているので全然物足りなさを感じませんでした。今や全国至る所で食べられる一蘭のとんこつラーメンですが、やっぱり発祥のお店で食べるのは格別な高揚感がありますね。博多に行くことがあれば、ぜひ一度お店に足を運んでみてください。
おみやげ用ラーメンも売っています…一蘭 那の川店へのアクセスは、最寄り駅の西日本鉄道天神大牟田線・西鉄平尾駅から徒歩9分
そんな一蘭 那の川店では、おみやげ用ラーメンの販売もしています…
乾麺タイプのストレート麺5食入りとカップ麺に加えて、お店のメニューにはない焼ラーメンも購入できます。これらの商品はAmazonや楽天の通販でも手に入りますが(下にリンクを貼っておきます)、友人や知人へのお土産にするならやっぱり現地で買わないと…ですよね。もし興味があれば、直接店員さんに聞いてみてください。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
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