数ある博多豚骨ラーメン店の中でもトップクラスの人気を誇る博多一幸舎(はかたいっこうしゃ)。2つの羽釜を使って「熟成追い炊き製法」と名付けられた方法で炊かれたスープは「元祖泡系」と呼ばれ、豚骨ラーメンにうるさい地元博多のラーメン好きをも唸らせる、唯一無二の味になっているのだそう。
そんなお店の「元祖泡系」豚骨スープに僕が興味を持たないわけがなく、ある夜の〆の一杯として食べるべくJR博多駅前にある博多一幸舎 総本店を訪問。通行人の会話によると、普段はいつ行っても激混みで長蛇の行列ができているらしいのですが、この日は土砂降りだったせいか、ほとんど待ち時間なく店内に入れました…
全系列店の中でもやっぱり特別な場所…博多一幸舎 総本店はこんなお店
博多一幸舎は2004年に創業したので、今年でちょうど創業20周年。元々は若者の街・大名でお店を開いたのですが、2018年7月11日に現在の博多駅近くで博多一幸舎 総本店としてリニューアルオープンして今に至っています。店内の客席は、L字型カウンター席10客に2人がけテーブル席4卓の合計18席。まだリニューアルオープンして5年ほどの新店舗、お店の外観や店内は清潔感満点です。
でもその店内に入った瞬間、独特の豚骨臭が僕の鼻を突きました。賛否両論、好きな人にとってはたまらないけど、豚骨ラーメン嫌いな人を生み出す最大の原因でもあるあの臭い…少なくとも、店内でかなりの量の豚骨を使ってスープを炊いていることには間違いがなさそうです。
さらに言うと、この総本店だけは「熟成追い炊き製法」でのスープの炊き出しに羽釜を3つ使っているんだそうな。羽釜が2つから3つになると、スープがより濃厚になるの?それとも泡立ちがより細かくなって、ふわっとした感じになるの?今まで博多一幸舎の豚骨ラーメンを食べたことがない僕にはわかりませんが、少なくともこの総本店が全系列店の中でもかなり特別視されているということはよくわかります。
特上泡系豚骨ラーメン:博多一幸舎 総本店でしかたべられない「元祖泡系」の最上級メニュー、実際食べてみてどうだった?
今回僕が博多一幸舎 総本店でオーダーしたのは、券売機でおすすめされていた特上泡系豚骨ラーメン(お値段 税込1450円)。一蘭 那の川店の時と同じく、あらかじめ替玉(お値段 税込150円)も1回分注文しています。
食券を店員さんに手渡してから待つこと約5分、目の前に着丼となった特上泡系豚骨ラーメンはこんな感じ。「元祖泡系」の看板に偽り無し、スープの表面全体が細かく泡立っています。一方で、一蘭 那の川店のとんこつラーメンのような辛味成分のタレは入っていません。それだけスープの味に自信を持っているということなんでしょうか。
では早速、そのスープをいただきましょう…口当たりふわふわで、口に入れたときは優しい感触があるんですが、そこに詰まった豚骨の旨味は強烈です。何せ、このスープに浮いた泡は人工的に作られたものではなく、「脂泡(しほう)」という名の豚骨由来の脂なんですから。それほど強くはないものの豚骨臭もしっかり感じられて、まさに直球ど真ん中の豚骨醤油スープという印象。かといって全然しつこくなく、キレがあって後味残さずスッキリです。
一方、この麺も総本店だけのオリジナル麺のようですね。やや幅が広めの平打ち細麺で、茹で加減は「バリかた、かた、ふつう、やわ、バリやわ」の5段階で「ふつう」にしています。茹で加減普通とはいえ、結構歯応えがしっかりあって、プツッとした歯切れの感覚がとっても気持ち良いです。ここまで歯切れの感覚を「楽しい」と思える麺は珍しいですね。喉越しの良さはもちろん、泡系のスープもしっかりまとわりついてくれるので、スープの吸い上げも文句ありません。
そしてトッピングのメイン・チャーシューは、レアタイプのものが4枚入っていました。このチャーシューも肉の旨みがギュッと濃縮されていて、チャーシューというよりハムのような感じになってました。
味玉は箸でつつくとぷよぷよで、中の黄身がトロトロの半熟状態であることがわかります。塩ダレの味がしっかり中まで浸み込んでいて、単品で食べれば間違いなく美味なのですが、黄身がスープに溶け出してしまうとスープの味が崩れそうな気がして、個人的には少し悩ましい存在でした。
さて、ここでお待ちかねの替玉。今回の替玉は博多豚骨ラーメンらしく「バリかた」で注文しましたが、厨房を見ていると本当に10秒くらいしか麺を茹でてませんでした。ただ、実際食べてみると、歯切れの感触は「ふつう」でも十分過ぎるほど楽しめたので、博多一幸舎ではわざわざ「バリかた」にする必要はないかな…と感じました。お店の方としては逆に柔らかめの茹で加減をおすすめしているようなので、次に訪店することがあれば柔麺で注文してみようかな。
こんな感じで、替玉までしっかり完食してお店を退店。豚骨臭さを感じるところで万人ウケするタイプのラーメンではないとは思いますが、そこを抜きにすれば麺もスープもめっちゃクオリティが高くておすすめです。「いきなり濃厚なのはちょっと心配…」という場合は、他に4つある博多一幸舎ブランドでタイプの違う豚骨ラーメンを提供しているので、そちらから試してみるのもありだと思います。いずれにしても、せっかく博多に行くのなら、本場の博多豚骨ラーメンを試さないと絶対損ですよ!
博多一幸舎が展開する5つの豚骨ラーメンブランド
- 博多一幸舎 総本店
- 博多一幸舎
- 博多屋台ラーメン 一幸舎
- ドライブイン 一幸舎
- 二代目 一幸舎
お土産用豚骨ラーメンも販売中!博多一幸舎 総本店へのアクセスは、最寄り駅のJR博多駅から徒歩5分
そんな博多一幸舎 総本店では、お土産用の豚骨ラーメンの販売もしています…
生麺タイプの豚骨ラーメンが4食分で、お値段 税込1500円(注:令和5年11月現在)。この商品はAmazonやふるさと納税でも手に入るのですが、Amazonで1箱2400円で売られているのでお店で直接買う方が圧倒的に安いです(というか、Amazonの方が適正価格なんじゃないかと思うのですが…)。おそらくスープの脂泡まで再現されることはないと思いますが、口コミを見ても評判は上々です。博多旅行のお土産として、ラーメン好きの友人知人にプレゼントしてみてはいかがですか?
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
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