神戸にある洋食店にまつわる、あり得ないような本当の話。1952年に神戸で創業し、順調に営業を続けていたグリル一平という洋食店。ところが1995年の阪神淡路大震災でお店が全壊し、当時勤めていたシェフや従業員がみんなバラバラになってしまいました。
そんな状況に、当時見習いとして働いていた三代目シェフは店の再建を諦めていたそう。でも…
グリル一平の歴史を語る上で外せない奇跡的な話:なんと常連客が勝手に…
ここで奇跡が起こります。何と、常連客がプレハブで勝手に店を建ててしまったのです。
そんなことを言われても、それまで一度もお客さんに料理を出したことがない三代目シェフは困ります。店があっても、料理を作る人がいない。この話を聞いて、三代目シェフはすごく迷惑に感じていたそう。
でもそんな三代目シェフに、常連客から追い討ちとなる一言…
こうなってしまったら、もう逃げられません。プレハブ店舗で営業を再開し、常連客から「前と味が違う」「こんなんで金取るんか」と日々散々な文句を浴び続けます。それでも、文句を言いながらもきっちりお金を払って何度でも足を運んでくれる常連客に対して、三代目シェフは少しずつ腕を磨いていくことで応えていきます。
それから20数年。グリル一平は新開地のアーケード街に立派な店舗を構え、多くの有名人が来店するような人気洋食店へと見事に復活を遂げました。「バナナマンのせっかくグルメ」などテレビ番組でも度々紹介されているので、あなたもお店の存在くらいは知っているかもしれません。
そんなグリル一平の二大人気メニューであるオムライスとヘレビフカツをターゲットに、ある週末のお昼過ぎに僕は新開地へと足を踏み入れたのでした…
洋食店とは思えない客回転の早さ…行列ができていても怯まずに並ぶのが吉
新開地駅を降りて駅前のアーケードに入っていくと、右側のビルの2階にグリル一平が見えてきます。エスカレーターでビルの2階に上がると、お店の前には14〜5人の行列が…両開きのガラス扉の向こう側では、厨房内シェフや調理スタッフがキビキビと動き、そしてフロアスタッフが配膳と並行してお持ち帰り用の弁当をせっせと包んでいます。
この様子を見て、僕は入店まで1時間待ちを覚悟しました。客回転の早いラーメン屋でも、前に10人並んでいたら普通20〜30分は並びます。でも今回はラーメン屋ではなくて洋食屋。ましてやイートインの料理だけでなく、並行してテイクアウトの弁当も作らなければならない…そりゃあ、時間かかりますよ。
でもその予想は、この後いい意味で大きく裏切られることになります。店内からどんどんお客さんが出ていって、僕が席に案内されるまでにかかった時間はたったの10分ちょっと。そこから注文した料理が出てくるまでも同じく10分程度。ラーメン屋を凌ぐほどの回転の良さです。
多分これ、偶然ではありません。程度の差はあれど、別の日に来てもあまり待たずに済むのではないでしょうか。なぜって、店員さんがみんなとってもキビキビ動くんです。無駄な動きがないというか、お客さんの誘導からメニュー聞き取り、調理、配膳、会計に至るまでの一連の流れが本当にスムーズなんです。
これって当たり前のように見えますが、なかなかできることじゃありません。1人でも自分本位で動いていたら、絶対にそんなことできませんから。きっとものすごくチームワークの良いお店なんだろうな…と思います。そんなお店ですから、もちろん接客に問題などあろうはずがありません。
グリル一平の二大人気人気メニューであるオムライスとヘレビフカツを同時に注文…気になるお味はいかに?
そんなグリル一平で今回オーダーしたのは、一部で二大人気メニューと言われているオムライス(お値段 税込850円)とヘレビフカツ130g(お値段 税込1700円)。ヘレビフカツにはライスとスープがつきますが、オムライスを一緒に頼むのでライスは抜きで注文しています…
メイン級の料理が2皿並ぶのを見るのは、やはりテンション上がりますな。これぞ日本の洋食!って感じです。オムライスをアップで撮るとこんな感じで…
続いてヘレビフカツ…
ちなみにヘレビフカツは…
断面を見るとミディアムレア状態の絶妙な揚げ加減です。
では、早速オムライスからいただきます…グリル一平のオムライス最大の特徴は、ケチャップライスを包む卵の薄さ。本当に薄皮一枚、ちょっとしたことですぐに破けてしまいそうなくらいなんです。こんな極薄卵焼きを作るだけでなく、卵に傷つけずにケチャップライスを巻くなんて、ものすごい職人技。
続いて中のケチャップライス。ライスの1粒1粒がパラパラで、口に入れるとバターの風味がふんわり漂ってきます。ケチャップの酸味は控えめですが、逆にライスのパラパラ感を保てるくらいの使い方が僕的には好印象です。
そして洋食店の命・デミグラスソースは、最初に心地よくも刺激的な酸味が来て、遅れてビターな味わいが広がる大人の味。濃厚で芳醇なのは言わずもがな。このソースがパラパラライスの隙間に入り込んで、バターの香りと一体となるわけですよ…そりゃ、リピーター増えますわ。
さて、一方のヘレビフカツ。こちらにもそのデミグラスソースがたっぷりとかかっているのですが…
衣に残った油や肉汁とソースが混ざることで、ソースがオムライスの時よりも酸味と苦味が抑えられてマイルドな感じになっています。ソースがビーフカツ全体を覆ってあまりあるくらいたっぷりかかっているので、衣全体にソースが浸透してビフカツの食感がしっとりと変化。その衣を突き破ると、中はミディアムレアで柔らかい牛ヒレ肉。分厚い肉を食べているのに食べ疲れなくスイスイいける食べやすさも兼ね備えています。
肉好きにとって肉130gというのはややボリューム的に足りない感じもしますが、僕の感想としては逆に、その割に満足感がしっかり得られるという感じです。上質なヒレ肉を使ってお値段も2000円以下に収まっているのですから、コスパ的にもお値打ちと言えるのではないでしょうか。
三宮店や元町店でも食べられます…グリル一平 新開地本店へのアクセスは、阪急電鉄神戸線・新開地駅から徒歩1分
そんなグリル一平のオムライス、三宮店や元町店、元町東店の各店舗でも食べることができます。神戸で洋食を食べたくなったら、ぜひこのお店を選択肢の1つに入れてみてください。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
グリル一平 新開地本店 (洋食 / 新開地駅、湊川公園駅、湊川駅)
昼総合点★★★★★ 5.0
住所:〒652-0811 兵庫県神戸市兵庫区新開地2丁目5−5 リオ神戸 2F
電話番号:078-575-2073
営業時間:ランチ 11:30-15:00、ディナー 17:00-20:00
定休日:水曜日、木曜日
駐車場:なし
クレジットカード払い:不可(現金払いのみ)
P.S. 神戸で美味しいビフカツをお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
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