明石の名産品といえば鯛や蛸が有名ですが、穴子の産地としても業界では有名らしいです。特に明石で採れる穴子は普通の穴子(マアナゴ)より大きいクロアナゴが中心で、地元ではこのクロアナゴを「伝助穴子(でんすけあなご)」と呼ぶそうな。
となれば、地元の明石にはきっと穴子料理の専門店、ありますよね?あるんです。このお店、ずっと前からマークしていて、明石に行く機会が訪れた時に真っ先に訪店を予定に組み込んだのでした…
穴子の全てを楽しめる「でん助穴子フルコース」をご紹介。このコースでアナゴの新しい味覚を知ることに…
穴子・活魚料理 でん助は、地元明石で採れた伝助アナゴを中心とした海の幸を提供する海鮮料理専門店。町の居酒屋のような雰囲気のお店で、客席はカウンター席5脚に掘りごたつ式の座敷席が4卓あります。僕がお店を訪れたのは週末の開店時間直後ですが、それらの席の半分くらいに「予約席」の札が立っていて、地元民になかなか人気のあるお店であることが窺い知れます。
さて、せっかく念願の穴子料理専門店に来たのだから、思う存分穴子を堪能すべし!ということで、この日は真っ昼間から穴子料理の最上級メニュー「でん助穴子のフルコース(お値段 税込7600円)」をオーダー。お店の人、ちょっとびっくりしてました。そりゃそうですよね。真っ昼間から夜メニューのフルコースを頼む人なんて、世の中にどれくらいいるのか…
とは言え、こちらも必死です。何せ、今度いつ明石に来れるかわからないのですから。少しでも食べ残して後悔するくらいなら、多少ムリをしてでも全部堪能して帰りたい…この気持ち、わかってくれますか?いやいや、食い意地とは何とも恐ろしい…
それでは、このでん助穴子のフルコースで提供されたお料理全8品を順にご紹介しましょう。普通のアナゴより大きな明石の名産品・伝助アナゴ、どれだけ美味いのか、興味津々です…
穴子メインのお付出し
1品目は穴子メインの付き出し。左下から時計開店方向に白あえ、穴子の肝と卵の和え物、穴子の南蛮漬け、生の穴子の握り、そして中央に穴子の骨せんべいが3本あります。
実は僕、穴子料理って寿司屋さんの煮切り醤油ダレがかかった穴子以外に食べた記憶ないんですよね。なので、当然生のアナゴも初めて。生の伝助穴子って、どんな味がするんだろう…と興味津々で口の中に入れてみると、身は淡白で柔らかいですね。噛み締めるとクニュって感じ。この食感はどこかで食べたことのある食べ物にすごく近いんですが、何だったっけ?相変わらずのバカ舌っぷりを発揮です。
穴子の湯引きサラダ
2品目は穴子の湯引きサラダ。鱧のように骨切りされた穴子の身を、梅肉ソースにつけていただきます。
で、この穴子の湯引き、身の部分は鱧と同じように淡白なのですが、皮目の方に厚いゼラチン質の部分があるんですよね。これが皮と一緒に口の中でプルンってなって、身の部分とのコントラストもあってとっても気持ちいいんです。これは面白い!伝助穴子にはこんな楽しみ方があるんですね。知りませんでした。でも、この味は普通のアナゴでも楽しめるのかなぁ…機会があれば、ぜひ検証してみたいと思います。
穴子のお造り
3品目は穴子のお造り。皮を剥いだ生の刺身と皮目を炙ったものと2種類あって、先ほどのクニュっとした食感と皮目を炙った香ばしさの2種類の味と香りが楽しめます。ところで、皮目を炙ってしまうと、湯引きの時にあったゼラチン質の部分は無くなってしまうんですね。不思議というか、ちょっと残念というか…
穴子の天麩羅
4品目は穴子の天麩羅。塩、レモン汁、天ぷらつゆの3種類の味で楽しめます。サクッとした衣を破ると中にはホクホクの穴子の身とプルンとした皮があって、噛み締めていくとじわじわと皮目からアナゴの脂が…その脂の旨味を楽しむためには、塩が一番おすすめです。
穴子の塩焼き
5品目は穴子の塩焼き。これはもう、見た目そのものの味ですね。しっかり火の通った穴子の身を、炙ってできた焦げ目の香ばしさと塩でシンプルにいただきます。お造りの時と同様、皮目に火を当てているからかゼラチン質の部分は無くなっています。身の部分の味を楽しむための料理ですね。
でん助穴子しゃぶしゃぶ鍋
6品目はこのコースのハイライト・でん助穴子のしゃぶしゃぶ鍋。目の前にカセットコンロと具材、鍋が運ばれてくるので、カセットコンロに火をつけて…
鍋が煮えてきたら先に野菜やキノコ類を投入…
さらに一煮立ちさせたら穴子の身を投入!10秒ほどしゃぶしゃぶさせて、ポン酢につけていただきます…う〜ん、幸せですなぁ。骨切りされた穴子の身がふわ〜っと花が開くように広がって、その裏側の皮目はプルプル感を発揮して…そして何よりも、やっぱり冬は鍋ですよ。身体が温まるし、鍋から立ち上がる湯気を眺めているだけで「日本人で良かった〜」って思えませんか?
ただ、残念なところが1つ。それは…
でん助穴子棒寿司・汁物
しゃぶしゃぶを食べ終えて出てきた7品目はでん助穴子の棒寿司と汁物。雑炊じゃなかったんです。鍋の後は、全ての具材のエキスを吸った出汁を使って雑炊(もしくはうどん)を食べたくないですか?残念…でも、もちろん棒寿司を否定するわけではありません。ありがたくいただきます。
やや甘めの醤油ダレで味付けされた伝助穴子…穴子の種の違いからか、あるいは棒寿司にしているからか、回らない寿司屋で食べる穴子の寿司よりは少し身が硬めです。それでも十分柔らかいですし、一口サイズにカットされてあって食べやすいです。
そして汁の物にも穴子の身が…これはちょっと嬉しいボーナスですね。すでに伝助穴子コースも終盤、次のデザートで〆になります…
柚子のシャーベット
最後のデザートは柚子のシャーベット。シャーベットの冷たさと柚子の香りで口の中をリフレッシュしてコース終了です。
フルコースを振り返ってみると、伝助穴子って思っていたのとはちょっと違いましたね。伝助穴子の旬と言われている冬を狙って食べにきましたが、それほど脂が乗っているわけではなく、身の味は鱧に近いです。
今回伝助穴子を食べてみて、感激するほどではなかったんですけれど、「皮目のプリプリ感を楽しむという食べ方を知れて良かったなぁ〜」というのが率直な感想です。今度機会があれば、普通の穴子との味や食べ方の比較もしてみたいですね。
昼にはリーズナブルな定食メニューあり!穴子・活魚料理 でん助へのアクセスは、最寄り駅のJR山陽本線・明石駅(山陽電気鉄道・山陽明石駅)から徒歩5分
そんな穴子・活魚料理 でん助、昼には比較的リーズナブルな定食メニューも提供しています。その一部をご紹介すると…
- でん助定食 1800円
- お造り定食 1300円
- 海鮮丼 1100円
- 穴子天丼 1100円
- 穴子丼 1000円
伝助穴子ってどんなものか気になる方は、まずこれらの定食で体験してみると良いと思います。また、今回ご紹介したコースの中から単品で注文するのも可能です。気になった料理があったら、ぜひ一度お試しください。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
P.S. 兵庫で美味しい和食をお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
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