JR上野駅から一駅南の御徒町駅にかけての高架下・アメ横商店街周辺は、とっても味のある飲食店が多いことで知られています。今は上野駅周辺はかなり近代化されてしまいましたが、この一角にはかつて東北・上越方面への玄関口として存在していた“哀愁漂う”上野の面影を残す店が、今もずっと頑張って営業を続けているんです。
そんなアメ横界隈のお店の中で、最近YouTubeなどで取り上げられることが多い珍々軒というお店へ、とある週末の夜9時頃に行ってきました。前に何回かお店の前を通ったことがあるのですが、かなり東南アジア的でディープな雰囲気を醸し出していて、それだけでビール飲めちゃいそうな気がするんですよね…
1948年から上野アメ横で続く家族経営の町中華…珍々軒はこんなお店
今回ご紹介する珍々軒は、上野アメ横商店街のそばで70年以上営業を続けている老舗町中華。ネット情報では1948年創業とされていますが、正確な来歴は不明です。とは言え、お店のインスタに「創業70年以上」と書かれているので、現在から逆算すると1948年創業というのは計算上は成り立っていますね。いずれにしろ、長い間上野で営業を続けてきたお店であることには間違いがなさそうです。
そんな珍々軒、元々は飴屋だったとの情報もありますが、中華料理店としてのキャリアは上野駅前での屋台からスタートしています。後に今の場所に実店舗を構えることになるのですが、当初は現店舗の1/3しかない手狭なお店だったとか。その後、周囲のお店が閉業していくに伴って隣の空きスペースを店舗として拡張していって今のお店になりました。かつての3倍の広さになったにも関わらず、店外の通路に並べられたテーブル席を含めて総席数24席ですから、この周辺のお店が昔どんな環境で商売をしていたのかがよくわかりますね。
そんな歴史を紡いできて現在まで残るこのお店、今は二代目が中心となって女将さん、三代目と家族経営で頑張っています。若い三代目がすでにお店に入っているということで、この先もずっと営業を続けてくれそうですね。ディープスポット好きな人にとっては正にうってつけのお店。お店の前を通り過ぎるだけでも、きっと胸にグッと込み上げてくるものがあるんじゃないでしょうか…
一番人気のチャーハンは食べられなかったけど…上野の珍々軒でもう1つの人気のメニュー・タンメンを食す
今回僕が珍々軒で注文したのは、お店のメニューの中でもかなり人気度の高いタンメン(お値段 税込850円)。本当はお店の一番人気メニューであるチャーハンも一緒に注文したかったんですけど、ちょうど僕の前のお客さんで売り切れになってしまって…でも、実はこのタンメンを食べられただけでも僕はラッキーだったんですよね。だって、僕の3組くらい後ろのお客さんでこの日は売り切れ閉店になってしまいましたから…
それはともかく、注文してから待つこと約10分、目の前に運ばれてきたタンメンがこちら…
ボリューム自体はそれほど多くないんですが、スープの面から山盛りにせり出した野菜炒めが二郎のラーメンを連想させます。これ一杯で1日に必要な野菜を摂れてしまうかも…って、さすがにそれは言い過ぎですけどね。
では、早速スープからいってみましょう…豚足とモミジ(鶏の足)ベースの出汁に、個人的にドンピシャな塩加減、そこに野菜から滲み出た旨味が加わって、かなり滋養のありそうなコクのあるスープになっています。動物系の旨味成分だけじゃなく、野菜のエキスもブレンドされているのがいいんですよね。しかも、野菜を炒めた時に使われた胡麻油の香りまで…これ、お酒飲んだ後の〆として最高ですわぁ。1日の最後にダメ押しで身体中に旨味を浴びせ倒す、みたいな感じで。
一方、これに対する麺は、軽くウェーブがかかった昔ながらの中華麺。やや柔らかめの茹で加減でもっちりしています。スープをしっかり吸い上げるので、この麺だけでも美味しく食べられるのですが、これと野菜のシャキシャキ食感との対比がまたいいですね。麺と野菜にほんのりついた胡麻油の香りが刺激になって、箸が止まらなくなってしまいます。
そんなわけでこのタンメン、食レポのことを忘れてしまって、ものの数分であっさり完食してしまいました。いやぁ、夜遅くまで行列が絶えないの、よくわかりますわぁ。シンプルなんだけどいろいろな旨味がギュッと詰まっていて、それでいて重たくならずに食後感スッキリ。このタンメンなら、飲み会後で腹一杯の状態でも別腹でいけちゃいますね。これがたったの850円で食べられるのであれば、僕が上野に住んでいたら毎日でも通うんじゃないかな…と思います。
【おまけ】今回のおまけは、チャーハンが売り切れで泣く泣く切り替えて注文した餃子(お値段 税込500円)。町中華にしては、この餃子は結構お高めの価格設定ですよね。一瞬僕、飯田橋にある餃子の店おけ以の餃子を思い出しました。でも、実際に出てきたものを見れば納得。一皿で5個入りなんですが、餃子1つがかなり大きめで、かなりしっかりした造りをしているんですよね。
そのうちの1つを箸で割ってみると、中の餡はこんな感じ。水抜きしたキャベツをメインに、豚肉や青ネギ、ニンニクが混ざった餡がぎっしり詰まっています。ボリューム的には、この1個で市販の餃子1.5〜2個分くらいあるかもしれません。焼き上がりは皮がかなり厚めでもちっとしていて、断面から豚肉の肉汁とともにニンニクの香りがふわり…かなり食べ応えがある餃子で、これ一皿で中生3杯くらいいけちゃうくらいかもしれません。
珍々軒のその他のメニュー例(値段は税込)
- 塩ラーメン 700円
- みそラーメン 900円
- チャーシュー麺 950円
- 炒麺(焼きそば) 800円
- 炒飯(チャーハン) 800円
- 肉野菜炒めライス 900円
- レバニラ炒めライス 900円
「せんべろ」のお店としても有名…珍々軒へのアクセスは、最寄り駅のJR山手線・上野駅から徒歩3分
こんな感じの珍々軒は、いわゆる「せんべろ」のお店としても有名です。ビール1本におつまみをつけてちょうど1000円くらい。高架下、そしてアメ横のガヤガヤした雰囲気がちょい飲みにすごく合ってるんですよね…ちょっとオヤジっぽい飲み方をしたくなった時には、上野界隈では珍々軒はめっちゃおすすめです。お一人様でも仲間内でも、ここでならきっといい時間が過ごせると思いますよ。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
隣のJR山手線・御徒町駅からでも徒歩5分で行けます。
P.S. 東京で美味しい中華料理をお探しのあなた、ぜひこちらの記事にも立ち寄っていってください…
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