のっけ丼とは、刺身や肉、お惣菜、地元の特産品など、ありとあらゆる具材から自分の好きなものを好きな量だけチョイスして、あったかご飯に「のっけ」て食べる丼のことです。元々は北海道・釧路和商市場の「勝手丼」が発祥とされていて、それが名前を替えて青森で広まったのがのっけ丼です。
今や青森のご当地グルメとしてテレビ番組やネットで紹介されるこの料理、その元祖を名乗る場所がJR青森駅の近くにあります。そこは…
青森魚菜センター|のっけ丼の元祖を名乗る人気の鮮魚市場…あなたの理想とする海鮮丼は?
青森魚菜センターという名の小さな魚市場。40年以上前から同じ場所で運営している市場の中で、平成21年よりのっけ丼の運営が開始されたとのこと。なので、のっけ丼そのものは比較的歴史の浅い食べ物です。
大きな赤い看板が目印の建物の中に入ると、内部は入口側から奥に向かって3本の通りが走っています。通路の両側には、30店舗を越える店舗や食事スペースが軒を連ねています。そのほとんどは魚屋さんですが、中には肉屋やお惣菜屋、お土産屋なども含まれているのがこのセンターの特徴です。
魚市場であるからといって、必ずしも海鮮丼を作らなくても大丈夫。刺身が苦手な人はお惣菜だけでのっけ丼を作ってもいいのです。市場内にはこんなお店もあるので、海鮮丼ではなく超高級牛丼を作って食べるのも全然ありですね。
のっけ丼の具材はチケットとの交換制。完成系をイメージするためにまずは市場全体を歩くのがおすすめ
では、そののっけ丼の主役となる具材の調達方法をご紹介しましょう。のっけ丼の各種具材の購入は、市場内でのみ使えるチケットとの交換制になっています。なので、まずはチケットを購入しなければなりません。
市場に入って左側の通路沿いにチケット売り場があり、ここでチケットを購入します。5枚セット(税込 750円)と10枚セット(税込 1500円)の2種類あり、丼を華やかにしたいなら10枚セットの購入がおすすめです。
チケットを手に入れたら、まずは丼の土台とも言える白ご飯を調達するのですが(酢飯ではありません)、ここで1つ注意点。この白ご飯をゲットするために、普通盛りで1枚、大盛りで2枚のチケットが必要です。
白ご飯分のチケットを計算にいれておかないと、あとでトッピングがさびしくなって後悔…ということもなきにしもあらず。もしあなたがチケットを5枚しか買っていなかったら、ご飯を大盛りにするとトッピング最大3種類しか乗せられなくなってしまいます。
なので、ご飯を手にする前に一度市場全体を歩いて、あなたの理想とするのっけ丼のトッピング候補を選別しておくことをおすすめします。それぞれのお店で力を入れている食材があって、同じ場所で商売する仲間とは言え、やっぱりその中で競争があるのが見ていて面白いです。マグロはマグロでも、店によって違う種類のマグロを売っていて、「あっちのはメバチマグロだけど、うちのは大間産の本マグロだよ!」などという掛け声も聞こえてきたりします。
それでは、トッピングの買い付けを始めましょう!白ご飯は入口側から見て一番右の通りにある、このお店でチケットと交換してくれます…
ここで普通盛りご飯をゲット!(チケット -1枚)。続いて、さっき目星をつけていた大きな赤エビ(チケット -1枚)…
さらにトロマグロ(チケット -2枚)と続き…
やっぱり高いけど、ウニ(チケット -3枚)とイクラ(チケット -2枚)も外せません…
そして最後の1枚で、これも巡回で目星をつけていたあら汁をゲット!
完成したのっけ丼はこちら…う〜ん、美味いんだけど、何かさびしいな
こうしてでき上がったのっけ丼がこちら…
う〜ん、ちょっとさびしいな。特に丼手前の方の白ご飯が見えている部分。ここを具材で埋めることができたらよかったんですけどね…
何はともあれ、実食…う〜ん、幸せ。プリプリで食べ応えのある大きな赤海老、本マグロではないけれど、脂がしっかり乗ったトロの切り身、濃厚な旨味のバフンウニとプチプチの食感がたまらないいくらの組み合わせ。これを「まずい」なんて言ったら、海の神様の罰が当たります。
とは言っても、やっぱり丼の表面を海の幸で埋め尽くしたかったな…そこはちょっと後悔。安いネタで埋め尽くすことはできるでしょうが、うにやトロなどの高級食材を入れてしまうとチケット10枚では厳しくなってしまいます。特に男性の方は、最初から10枚+αのチケットを購入しておく方がいいかもしれません。
というわけで、
あの時、チケットを15枚にしておけばよかったな…
と、ちょっとした後悔を心に残したまま青森を発つことになった僕。でも、具材がこれでもかっ!というほど丼にのった海鮮丼が、なかなか頭から離れません。こんなモヤモヤを頭に抱えたままにしておくのは嫌なので、しばらくたったある日…
関西からはるばる、また来ちゃいました〜!!
あなたに「わざわざのっけ丼一杯のために、こいつアホだなぁ…」と思われようが、いいんです。ずっと頭のもやもやをそのまま残しておくなんて、とっても不健康。美味しいご飯も食べられるし、そのための交通費くらいどうってことありません!(-.-;)
それはさておき、2回目ののっけ丼は1回目とは全部違う具材で作ることにしましょう。まずは券売所で15枚のチケットを購入(お値段 2250円)…
ご飯(チケット-1枚)をもらった後にぐるっと市場を一周して、まず目をつけておいた牡蠣(チケット-2枚)をゲット!
続いて、前回食べられなかった青森・大間産の本まぐろ。大トロ(チケット-2枚)、中トロ(チケット-1枚)、赤身(チケット-1枚)をそれぞれゲット!
さらに、帆立(チケット-1枚)、ヤリイカ(チケット-1枚)、ミソ付きのズワイガニ(チケット-2枚)、サーモン、ホウボウ(漢字で金頭と書くらしいです)、トロしめ鯖、鯨(各チケット-1枚)と次々とゲットしていき…
やりました!丼を覆い尽くしてあまりある海鮮ネタの数々。今回の主役である大間産の本マグロが、トロしめ鯖の下に隠れてしまっています。丼の外には大粒の牡蠣と、丼に収まりきらなかった鯨の肉が…ここまでできたら、さすがにもう思い残すことはありません!
では、実食…これ、美味くないわけないですよね。本まぐろの大トロは、前回食べたトロマグロとはやっぱり全然違いました。脂はしっかり乗っているけれどもしつこくなくて、繊細で舌の上でとろけて…赤身ですら柔らかくてコクがあって、「今まで食べていたまぐろは何だったんだ…」というレベル。そりゃ、獲れたてですから鮮度がまったく違いますよね。
というわけで、2回目の訪問で無事ミッション完遂となりました。正直なところ、東京や大阪など大都市で食べる海鮮丼より「めっちゃ安い」わけではありません。でも、その日の朝にとれた新鮮な魚介類を、いつもと違った雰囲気のある市場で食べるところに、こののっけ丼の最大の魅力があるように思います。
青森での朝ごはんにのっけ丼はいかが?青森魚菜センターへのアクセスは、最寄り駅のJR青森駅から徒歩5分
この青森魚菜センターですが…さすが魚市場、なんと朝の7時から営業しています。青森での一日をのっけ丼で始める…なんて、めちゃくちゃ贅沢じゃないですか?あなたも青森に滞在する機会があれば、ぜひお試しください。
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
青森魚菜センター 本店 (その他 / 青森駅)
昼総合点★★★★★ 5.0
住所:〒030-0862 青森県青森市古川1丁目11−16
電話番号:017-763-0085(案内所)
営業時間:7:00-16:00
定休日:毎週火曜日+年末年始、お盆期間、ゴールデンウィーク、ねぶた祭開催期間
駐車場:なし(近隣のコインパーキングを利用)
クレジットカード払い:不可(PayPayのみ対応可)
P.S. 北海道へ旅行なら、ここで朝海鮮丼が楽しめます…
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