3年ぶりに行く沖縄・那覇での最初の夜は泡盛を片手に美味しい郷土料理を…そんな希望を叶えてくれそうなお店をネットで探し、美栄橋にある旬菜処びいどろというお店を見つけました。平成20年6月18日にオープンして今年で18年目の居酒屋で、今までに食べログの居酒屋WEST百名店を3回受賞、平日でも予約が取れない店として有名らしいです。
そんな話を聞いたら、なおさら那覇滞在中にお店に行きたくなるじゃないですか。なので、お店のブログ(記事の最後にリンクを貼っておきます)を参考に前月1日に電話して無事予約をゲット。当日ホテルにチェックインを済ませて、予約時間ちょうどにお店に到着できるように、Googleマップを頼りにお店に向かうと…
想像していたよりずっと家庭的で居心地良かった…旬菜処びいどろはこんなお店
旬菜処びいどろは、かの有名な観光名所・国際通りから一銀通りを歓楽街の松山方面へ向かい、一本内側に入った住宅街の中にあります。元々は普通にアパートとして利用されていた建物の2階がお店で、店内に入ってもちょっと広めのワンルームマンションくらいのスペースしかありません。靴を脱いで店内に上がると、奥の厨房に沿って6人ほど座れるカウンター席があって、その手前にテーブル席と座敷席が3卓というレイアウト。かなりこぢんまりしたスペースしかないので、大きな荷物の持ち込みは厳禁です。
お店のブログにはこの他にもいろいろと注意点が書かれています。常識的に考えて変なルールは一切ないのですが、予約方法も含めて結構細かく書かれているので、僕はてっきり「店主は小難しい性格の人なのかも…」と先入観を持ってました。でも、実際全然違いましたね。ご主人は40歳くらいかな?思っていたより若くて、奥様と思わしき女性と2人でお店を切り盛りしているのですが、控えめでありながら心温まる接客をされます。想像していたよりずっと家庭的で、僕のようなぼっち客にとってもすごく居心地が良いお店でした。これでお酒や料理も美味しいとくれば、そりゃあ予約の取れないお店になりますわな…
驚きだらけだった…旬菜処びいどろのコース料理、実際試してみてどうだった?
それでは、今回僕が旬菜処びいどろで注文したコース料理(プラス泡盛)を、お通しから順番にご紹介していきましょう。お一人様でも注文可能なこのお店のコースは1人税込3500円から6000円まで500円刻みで対応。今回僕は最上級6000円のコースにして、「沖縄に来ないと食べられないものを」とご主人にリクエストしています…
お通し:本鮪の白子ポン酢
「沖縄に来ないと食べられないもの」をリクエストしておいて、一発目に本鮪の白子ポン酢が出てきたのにまずは驚きました。「えっ、沖縄で本鮪?」と一瞬思いましたが、実際のところ沖縄では本鮪も普通に獲れるみたいですね。
以前山形のこい勢で食べた鱈やトラフグの白子よりしっかりしていて、例えるならプリンのような食感。表面はツルツルプリプリで、ちょっとだけ苦味があるんですが、この上から強めのポン酢ともみじおろしがかかっていて、一口目から背筋が伸びるような刺激的な味になっています。こんなのお酒に合わないはずはないんですが、これを一品料理じゃなくてお通しで出してくるところがすごいなぁ…(ちなみに、右に映っている飲み物は「まるた古酒 3年 30度」です)
刺身3種盛り
お通しに続いて出てきた1品目は刺身3種盛り。ミーバイ、アカマチといった沖縄の高級魚に加えて、本鮪の赤身と大トロといったラインナップになってました。
ミーバイとアカマチはともに白身魚なのですが、ミーバイはめっちゃ身が締まっていて歯応えが良かったのに対して、アカマチはより淡白で上品な味わい。本鮪はもはや説明の必要なしですが、沖縄では漁獲制限に達してしまってこれが今シーズンラストかも?ってことでした。その意味では、この日の僕はすごくラッキーだったのかもしれません。
ピリ辛ゴーヤチャンプル
続いて沖縄郷土料理の代表格・ピリ辛ゴーヤチャンプルの登場。韓国の粗挽き唐辛子をベースに複数の調味料で味付けされているとのことですが、炒り卵や豆腐で中和されてそれほど辛味は強くありません。その中でゴーヤの苦味は別格で、食べて「これこれ!」と頭の中で叫びました。
旬の島野菜6種サラダ
3品目は旬の島野菜6種サラダ。青パパイヤ、はんだま、ニガナ、モウイ、とうもろこし、トマトの6種類が入っています。ニガナの苦味が独特で、内地で食べる生野菜サラダとは違う感覚でした。この島野菜にかける自家製のシークワーサードレッシングが良かったですね。酸味というより爽やかな甘みがあるというか…僕の個人的な好みにドンピシャです。
泡盛 白百合
ここらで1杯目のお酒がなくなって追加注文。かつてゆうなんぎいでハマった花酒を注文したかったのですがお店に置いてなかったので、代わりにとご主人がおすすめしてくれた石垣島産の泡盛 白百合をいただきました。全泡盛で最もクセが強いとの評判らしく、「これが飲めるのであればどこへ行っても泡盛飲めますよ」とのことでした。
でも、僕が一番驚いたのはそのクセの強さではなく、瓶に貼ってあるラベルの中にありました。原材料名に「米こうじ(タイ国産米)」と書かれています。「この泡盛ってタイ米から作られてるんですか?」とご主人に聞いたら、「泡盛は基本全部そうですよ」とのご回答。知らなかった〜!沖縄では「そんなの常識!」ってレベルの話らしいですが、同じく内地から来たらしい隣のお客さんも知らなかったので、僕1人だけ無知だった…ということにならずに助かりました。泡盛は歴史的な背景からタイ米から作るらしいですね。最近は日本のお米で泡盛を作るところも出てきたようですが、やっぱり泡盛独特の風味が弱まって日本酒っぽくなってしまうみたいです。
ミーバイのマース煮
この泡盛 白百合に合わせるように出てきたのがミーバイのマース煮。「マース」とは沖縄方言で塩のことで、つまりミーバイの塩煮ってことですね。
先ほど刺身で食したミーバイ、煮物にしても身がすごくしっかり引き締まった状態を保っています。肉もプリップリですがゼラチン質のところもあって、口の中に入れるととろ〜っと溶けていくような食感も楽しめます。一方でミーバイと島豆腐を煮込んだ煮汁ですが、大堀史上最強クラスの塩分濃度なんですが、ただ塩気が強いだけじゃなくてミーバイの脂や出汁もしっかり溶け込んでいました。飲兵衛なら、この煮汁だけでもお酒いけちゃうんじゃないかな…って感じです。
自家製ジーマーミー豆腐
ミーバイの後はちょっと箸休め的に出てきた自家製ジーマーミー豆腐。市販されているジーマーミー豆腐とは比べ物にならないくらいのねっとり感で、箸ではめっちゃ頑張らないと一口サイズに切れませんでした。舌に絡みつくジーマーミー豆腐から濃厚なピーナッツ系の旨味が溢れるように出てきて、こいつも酒のつまみとして極上の一品でした。
厚切り島豚の島胡椒ピパーチ焼き
そしてこの日のコース料理のメインとなる厚切り島豚の島胡椒ピパーチ焼き。先にお断りおきますが、実は上の画像、我慢できずに肉を一切れ食べてしまった後のやつです。本来は玉ねぎスライスのある部分にもう1切れあって…ホント、申し訳ないです。
その島豚なのですが、かなり脂が多い部分の厚切り肉なので、これでもか!ってくらい断面から脂がドバドバでした。でも、脂自体の性質なのか、あるいは上に振り掛けられたピパーチの効果なのか、全然しつこさは感じませんでした。一緒に添えられた付け合わせ4種類(ゴーヤの漬物、人参のナッツ和え、青パパイヤのカレー風味、あと1つはシークワーサー味の何だっけ?)も味変に使いながら、このお皿一気にペロリでした。
本鮪の漬け寿司
さて、これでご飯と味噌汁(沖縄だからイナムルチかな?)と想像していたのですが、ご飯物として出てきたのがまさかの本鮪の漬け寿司でした。那覇でこんなにも本鮪を食べられるなんて、最後にまた驚きです。漬けダレが寿司屋のものより濃い目になっていますが、お酒をしっかり飲んだ後なのでそれがちょうど良く感じるんですよね。ねっとり食感で舌に絡みつくような旨味。さすがにプロの寿司職人さんが握るお寿司とは食感は違いますが、コースの最後にこれだけの本鮪が食べられるのはやっぱり嬉しいですよね。
沖縄産のスイカ
そしてデザートとして沖縄産のスイカが出てきてコース終了。これに泡盛グラス2杯含めて、気になるお会計は7000円ちょっとでした。この内容でこのお値段なら、「そりゃあ予約取れなくなるよなぁ…」って感じでした。個人的にも那覇へ行く時の楽しみがまた1つ増えて良かったです。
コースのバリエーションはなんと2000種類以上!旬菜処びいどろへのアクセスは、最寄り駅の沖縄ゆいレール・美栄橋駅から徒歩5分
さて、今回僕が旬菜処びいどろで注文したコース料理ですが、なんとそのバリエーションは2000種類以上もあるそうな。お店のブログに過去のコース内容が1つ1つ紹介されていて、令和7年5月末の時点で通し番号が2335…2000どころか、今年中には2500種類に達しそうな勢いです。コース料理を注文するときに「コース○○番みたいな感じで…」というリクエストにも対応してくれるとのこと。特に県外から訪問する人は、予約する前にお店のブログには目を通しておくのをおすすめします。
それでは、お店の詳細です…
旬菜処びいどろ 5点満点中
住所:〒900-0013 沖縄県那覇市牧志1丁目11−1 丸仁アパート 2階
電話番号:098-863-7870
営業時間:17:00-23:00
定休日:日曜日、月曜日
駐車場:なし
クレジットカード払い:可
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