沖縄には『ゆし豆腐』という名前の郷土料理があります。豆乳ににがりを加えて固まりはじめた頃のふわふわ食感の柔らかい豆腐のことで、地元では出汁を入れてスープにしたり、ジューシーと呼ばれる炊き込みご飯の具材にしたりと、様々な料理で使われているそうな。
かつてそのゆし豆腐を「沖縄そばの具材にしたらいいんじゃね?」と思いついて、ゆし豆腐そばなるものを作ってしまったお店があります。そのゆし豆腐そば、今では沖縄でメジャーな存在になっていて、そのお店は「ゆし豆腐そばの元祖」として有名になり、ゆる〜く時間が流れる沖縄においても開店前から行列ができるほどになっています。
今回の沖縄・那覇訪問の間にこの元祖ゆし豆腐そばをどうしても食べたくって、とある日の朝早起きして、ゆし豆腐そば発祥の店・高江洲そばへ行ってきました。実はこのお店には、3年ほど前の沖縄訪問の時にも行ったことがあるのですが…
閉店時間前でも売り切れ御免!高江洲そばへの訪店は早めの時間がおすすめ
僕が3年前に高江洲そばに行った時は、まだ閉店時間前なのにお店が終わってしまっていたんですよね。というのは、このお店は浦添市伊祖という、那覇空港からバスで1時間くらいかかる場所にあるんです。その日は朝の飛行機で那覇に向かって、そこからホテルにチェックインせずそのままゆいレールとバスを乗り継いでお店に向かったのですが、到着したのが14時前くらいだったかなぁ?まだ公式の閉店時間まで十分な時間があるのに、売り切れ御免で早めの閉店となってました。そんなわけで、「今回は絶対に早めの時間に…」と思って開店時間前を狙っての訪店となりました。
旭橋のバスターミナルから宜野湾方面行きのバスに乗り、僕がお店に到着したのが開店時間の20分ほど前。無事ポールポジションをゲットして、入り口横にあるベンチに座ってゆっくり開店を待つことにしました。それにしても、この時間帯であれば普通は店員さんが開店準備をしているはずなんですが、お店の中にも人がいないかのようにシーンとしてたんですよね。さすがに「もしかして、またか…」と少し不安になりました。幸い開店10分前頃からお客さんが集まり出してきて、臨時休業疑惑は晴れたんですけどね。開店時間になった時も、なんかしれ〜っとお店が空いてました。僕、入り口に一番近いところに座ってたんですけどね…まぁ、いいか。
お店に入ってすぐ右側に置いてる券売機で食券を購入してから着席。本当に何もない素朴なお店の壁面に、芸能人やスポーツ選手のサイン色紙がズラリと飾られていました。食べログによると、高江洲そばの席数はカウンター席5脚を含めて全部で51席あるようなのですが、席についてそばを待っている間にかなりのペースで空席が埋まっていきました。確か開店直前で10人くらいの行列だったのに…朝10時でこの様子ですから、やはりこのお店には可能であれば早めの時間帯で訪店するのがおすすめです。
実は注文で大失敗…高江洲そばの看板メニュー・ゆしどうふそば(中)、実際食べてみてどうだった?
それでは、この日の僕が注文した高江洲そばの看板メニュー・ゆしどうふそばをご紹介しましょう。中、大、大盛の3種類あるサイズの中から、今回選んだのは中サイズ(お値段 税込800円)。食券を店員さんに手渡してから待つこと約5分、目の前に念願の元祖ゆし豆腐そばが運ばれてきたのですが、この時僕は注文で大失敗したことに気づきました…
この画像でレンゲのサイズと比べれば大きさ伝わるでしょうか?このゆしどうふそば(中)、めっちゃ小さかったんです。片手にヒョイと乗るくらいの大きさしかなくて、女性向けを通り越して小さな子供向けって感じでした。正直この時点では「中サイズでこれはないだろう…」と思ったのですが、券売機の横にちゃんと中・大・大盛の丼サンプルが出てたんですよね。単に僕がこれを見落として注文大失敗しただけでした。なんてこった…
「まぁ、過ぎたことを気にしていても仕方ない」と思い直して、早速お出汁からいってみましょうかね…このお出汁、かなりの薄味です。主に豚と昆布から出汁を取っているようなのですが、ほとんど出汁感は感じられなくて、下手したら「味付け塩だけ?」と思ってしまうくらい…それは言い過ぎか。夜寝る前の〆とか、寝起きの状態での一杯として食べたらすごくいい塩梅だと思うのですが、日中だとさすがにインパクト足りないかなぁ?実際、卓上には…
七味唐辛子とコーレーグース、紅生姜が置いてあったのですが、多くのお客さんは口をつける前に紅生姜を大量投入してましたしね。
一方、これに対する麺は縮れのついた平打ち中太麺。この麺は照喜名製麺所という、沖縄本島中南部で人気のある製麺所で作ってもらっているんだとか。お出汁とは対照的にかなり硬めの茹で加減でインパクトが強く、独特のウェーブがプルプルと口の中を物理的に刺激してきます。今回の中サイズではボリューム不足なところではありますが、しっかり量があれば二郎系・インスパイア系のようなワシワシ感覚も楽しめそうです。
さてさて、このそばに添えられたトッピングは刻みネギ、錦糸卵、豚肉、そしてゆし豆腐と結構豪華。豚肉はすごく柔らかくなるまで煮込まれていて、柔らかさで言えば都心部の有名ラーメン店のチャーシューと全然引けをとりません。そして今回のメイン・ゆし豆腐。絹ごし豆腐より一段階柔らかくて、想像通りふわふわとろとろ。でも一番驚いたのはそこじゃなくて、下手したら「麺より多いんじゃ…」ってくらい入ってたんですよね。沖縄そばがメインじゃなくて、ゆし豆腐がメインで麺がサブみたいな…
元々ボリュームが少なかったのもあり、高江洲そばのゆしどうふそば(中)を5分足らずであっという間に完食。「大盛で注文していれば…」と後悔しながらお店を後にしました。この薄味出汁であれば、麺なしのゆし豆腐だけで食べたいなぁ。次に訪店する機会があれば、ゆし豆腐にライスをつけて食べることにしようかな…
高江洲そばのその他のメニュー例(値段は税込)
- ソーキとうふそば 1200円
- 中味とうふそば 1200円
- 沖縄そば(中) 800円
- ソーキそば(中) 950円
- 中味そば(中) 950円
- ゆしどうふ(中)ライスなし 820円
- 中味汁(中)ライスなし 820円
注:大盛りは+100円、特大は+200円で注文可能
最初は詳しい人を連れて、その後は自分の味を見つけるまで通い詰めるべし…高江洲そばへのアクセスは、沖縄ゆいレール・旭橋駅から琉球バス99系統・宜野湾営業所行きで伊祖三丁目バス停下車、徒歩1分
高江洲そばの沖縄そば、僕が見ていた限りではありますが、地元の人の多くが食べる前から味変調味料を投入していたことを見ると、自分好みに味変して楽しむのがベストなのかな?と思えます。そうなると、僕のようなぼっち客で初めての訪店となると、本来の魅力がわからず終わってしまう可能性がありますね。なので、特に最初は地元の人か、通い慣れて詳しい人と一緒に行くのがいいと思います。そして、自分の味を見つけるまで通い詰めるべし…そんな感じかな。
それでは、お店の詳細です…
高江洲そば 5点満点中
住所:〒901-2132 沖縄県浦添市伊祖3丁目36−1
電話番号:098-878-4201
営業時間:10:00-15:45
定休日:日曜日、他不定休あり
駐車場:あり
クレジットカード払い:不可(食券制)
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