「リストランテ」とは、イタリアでは通常ドレスコードを要求されるような高級レストランを指す言葉。そう聞くと「ちょっと入りづらいな…」と思ってしまいがちなのですが…
ここ京都には、その「リストランテ」の名を掲げながらも、非常にアットホームでかつリーズナブルに食事ができると人気のお店があります。そんなお店が本当にあったら、あなたは行きますか?
リストランテ野呂|京都の食通の間で評判の凄腕シェフが二条城近くで独立!そんなお店のランチをたったの1800円で食べたい人は、他にいませんか?
リストランテ野呂は、二条城の南に店を構える比較的新しいレストラン。ここのランチセットは1800円(税別)からとリーズナブルで、ランチタイムには1階のカウンター席も2階のテーブル席もあっという間に埋まってしまいます。
僕が訪れたとある日曜日、12時半頃だったのですが、入り口の扉を開けるとお客さんの声がワーッと耳に飛び込んできました。もちろん席は満席。幸いにも、もうすぐ食後のドリンクの方がいらっしゃるとのことで、入り口のところにある椅子で待たせてもらうことにしました。
20分ほど待ってカウンター席に着席。カウンター席からは、お店のスタッフの働く姿が実によく見えます。忙しい時間帯でもありみんな黙々と働いているように見えながら、連携作業はスムーズです。お客さんへの対応も丁寧で、お客さんが店を出て行く時には必ずオーナーシェフの野呂和美さんが店の外にでてお見送りをしています。
さて、その野呂シェフですが、今までの経歴がすごいです。数々の著名人に愛されている東京の山の上ホテルや、イタリア政府公認のイタリアンレストランであるリストランテ・サバティーニ青山で腕を磨き、イタリアに渡ってミシュラン獲得店で3年間修行したのだとか。
帰国後もホテルグランヴィア京都でシェフとして活躍、その後予約困難な人気店・洋食おがたでの勤務を経て、2017年6月に晴れて独立となりました。
そんな凄腕シェフの独立ですから、地元の食通の間でも評判にならないわけがありません。食べログのクチコミやフードブログで称賛が相次ぎ、あっという間に競争の激しい京都でもお客さんの絶えない有名店になってしまったのです。
リストランテ野呂のランチセットは、選択の自由度が高いイタリアンと洋食の折衷料理
さて、リストランテ野呂のランチメニューですが…一番安いランチセットを含め、コース料理が合計3種類(1800円、4500円、8500円)。ランチで8500円のコースがあるのは、さすがにリストランテを名乗るだけありますね。
今回のターゲットはもちろん1800円のランチセットなのですが、セットとは言いながら結構自由度も高めです。追加でパスタやデザートを追加したり、メインの料理を3種類の中から選べたり…基本的にはイタリアン路線でありながら、日本の洋食の要素も取り入れたようなメニュー。どこにでもありそうなイタリアンと洋食の折衷料理ですが、どことなく他所では食べられないようなオーラのようなものを感じます。
ちなみに、この日のランチセットの内容をご紹介すると…
リストランテ野呂のランチセットメニュー
- 季節野菜のスープ
- サラダ
- パスタ(+1000円で追加可能)
- メイン(パンまたはライスつき)
- デザート(+500円で追加可能)
- 食後のお飲み物(コーヒー、紅茶、エスプレッソから1つ)
この日のメイン料理は…
- リストランテ野呂のメンチカツ デミグラスバルサミコで
- 季節のお魚のソテー 山田農園の野菜たちと 山椒醤油ソースで
- 京丹波高原豚のトンテキ 林檎と生姜のソースで
の3つのチョイス。食後のデザートも
- アマレットのパンナコッタ
- 抹茶のセミフレッド
- グレープフルーツのプリン
の3種類から選べました。
それでは、この日のリストランテ野呂のランチセットを詳しくご紹介していきましょう…
スープ:黄金蕪を使ったポタージュスープ
蕪の味をしっかり感じつつも、とても滑らかでほんのり甘いスープ。まずは優しく、この後の料理に誘うような感じの前菜でしょうか。
サラダ:グリーンリーフ、にんじんのマリネ、ポテトサラダ
先ほどのスープとは打って変わって、かなりしっかりとした味のサラダです。
グリーンリーフにはビネガー風味のドレッシングがかかっていて、酸味が脳味噌を強く刺激します。一方、ポテトサラダは一見普通と思いきや、食べてみるとどこかで食べたことのある甘さが…どうやらさつまいもがプラスされているようで、ビネガーの酸味に負けない甘さが舌を癒します。
そして最後のにんじんのマリネ。他の2種類と比べるとさっぱりとした味付けで、ちょっと箸休め的な存在でしょうか。そんな中にも小さなレーズンが忍ばせてあって、控えめな自己主張がされています。
スパゲッティ:魚介と九条葱の軽いトマトソース和え
ランチセットの値段に1000円をプラスすることで追加できるスパゲッティ。タイトル通りトマトソースは軽めの味付けになっていて、酸味は控えめで程よいトマトの風味を感じる程度になっています。
どちらかというと、このパスタのメインを張るのは魚介類のようです。ヤリイカと白魚のもつ磯の香りがトマトソースの風味を凌駕して、口の中でその風味を一気に拡散。そこにトマトの風味が隙間を埋めるようにして荒々しさをカバーし、心地よさを残してパスタを胃袋へ送り込みます。
パスタの茹で加減はもちろんアルデンテ。シャキシャキ感のある九条葱とともに、食感の面でも心地よさを残してくれます。
メイン:リストランテ野呂のメンチカツ デミグラスバルサミコで
そしてメインは、リストランテ野呂の代名詞とも言えるメニュー・メンチカツ。かなりのボリュームのメンチカツに、お皿一面に広がる濃厚なデミグラスソース。さらにその上からバルサミコソースがささーっとかけられています。
中をナイフで割ってみると…
中央がテカっているのがわかりますか?肉汁がジュワ〜っとにじみ出てきて、小さな池をつくってしまいました。メンチカツの種には、京都の丹波で育った平井牛と、これまた京都の銘柄豚・京都ポークを使用しているとのこと。牛肉の肉々しい旨味と豚肉の脂の旨味が融合し、とっても奥深い味わいになっています。
特製のデミグラスソースも濃厚であることに間違いないのですが、後味が意外と軽いので、メンチカツがスイスイとお腹に収まっていきます。バルサミコソースもそこに一役買っていて、バルサミコの酸味が加わることによってソースが一段と軽く感じるようになるんです。残ったソースをパンにつけて食べるのも、また旨し。
デザート:アマレットのパンナコッタ
アマレットとはイタリア語で「少し苦いもの」という意味を持ち、アーモンドに似た風味と赤みを帯びたリキュールだそうな。このパンナコッタのソースに使われている、ということでしょうか。確かにこのソースには、甘さの中にちょっとビターなところがあります。
でも、その苦味が心地よく感じるくらい、とにかくこのパンナコッタが甘いです。ねっとりと舌にまとわりついて糖分を思いっきり放出。そしてその糖分を、ちょいと苦味のあるソースがスッキリ洗い流してくれる感じでしょうか。結構インパクトが強いデザートで、甘いものが好きならハマると思います。
以上5品に食後のドリンクがついて、合計3300円(税別)。パスタとデザートをつければ、やはりそれなりの値段になりましたね。
でも、1品1品ボリュームは結構あるので、特に女性なら追加オーダーなくてもお腹いっぱいになれると思います。これだけの料理がたったの1800円というのは、やはり相当魅力的ですね。
リストランテ野呂へのアクセスは、最寄り駅のJR(京都市営地下鉄)二条駅から徒歩5分
それでは、お店の詳細です。店舗データはこちら…
京都市営地下鉄で一駅東側にある二条城前駅からも徒歩6分の距離です。
P.S. 京都で美味しいイタリアンをお探しのあなた、ぜひこの記事にも立ち寄っていってください…
P.P.S. リストランテ野呂の近くにあるこのお店もなかなかの人気です…
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